はじめに
昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。
一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。
名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年+月+顕著な被害が起きた地域名+現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」が原則です。
この記事では、昭和27年(1952年)6月に被害をもたらした「ダイナ台風」についてまとめます。
台風の経路
ダイナ台風(昭和27年台風第2号)は昭和27年(1952年)6月19日にルソン島東方沖で発生し、22日17時過ぎに宮古島の東方を、23日0時頃には沖縄の西方100kmぐらいの海上を、23日6時には名瀬の西方約50kmを通り、種子島南部をかすめて四国沖を北東進し、23日20時頃に紀伊半島南部へ上陸しました。そして、潮岬の北方を通り、21時に尾鷲の南方30kmの熊野灘に抜け、23時20分頃に浜名湖付近から再上陸し、静岡の北方、三島の北方を通って厚木付近に達し、24日2時50分頃に東京付近を通り、4時頃に鹿島灘へ抜けました。浜名湖上陸前には副低気圧も発生し、台風とほぼ並行に進み、24日3時頃に千葉県中部に達して消滅しました。

台風の概要
この台風は規模は小さかったものの、中心付近では風、雨共に強くなりました。
主な観測地点での最低海面気圧、最大風速、最大瞬間風速は下表の通りです(最大風速が大きい順)(赤字はそれぞれの最高値(気圧は最小値))。潮岬で最低海面気圧が969.4hPaでした。また、御前崎で最大風速39.1m/s(最大瞬間風速43.8m/s)、石廊崎(静岡県南伊豆町)で36.8m/s(同48.6m/s)でした。
| 観測地点 | 最低海面気圧(hPa) | 最大風速(m/s) | 最大瞬間風速(m/s) |
|---|---|---|---|
| 御前崎(静岡県御前崎町) | 980.0 | 39.1 | 43.8 |
| 石廊崎(静岡県南伊豆町) | 985.7 | 36.8 | 48.6 |
| 勝浦(千葉県勝浦市) | 988.4 | 33.6 | 41.6 |
| 大島(東京都大島町) | 984.1 | 32.8 | |
| 潮岬(和歌山県串本町) | 969.4 | 31.0 | 40.6 |
| 宮古島(沖縄県平良市) | 971.8 | 26.4 | |
| 銚子(千葉県銚子市) | 984.5 | 25.7 | 34.4 |
| 八丈島(東京都八丈町) | 1001.7 | 25.5 | 34.3 |
| 室戸岬(高知県室戸市) | 981.8 | 25.4 | 30.8 |
| 伊良湖(愛知県渥美町) | 979.7 | 24.7 | 29.7 |
また、6月22日~24日における期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります(赤字はそれぞれの最高値)。九州南部や四国東部、紀伊半島、伊豆半島などで降水量が200~350mmでした。
| 観測地点 | 期間降水量(mm) | 最大日降水量(mm) | 最大1時間降水量(mm) |
|---|---|---|---|
| 種子島(鹿児島県西之表市) | 311.1 | 204.8 | 38.4 |
| 屋久島(鹿児島県上屋久町) | 301.7 | 161.5 | 38.6 |
| 尾鷲(三重県尾鷲市) | 271.9 | 267.7 | 54.5 |
| 名瀬(鹿児島県名瀬市) | 237.9 | 140.5 | 42.0 |
| 宮崎(宮崎県宮崎市) | 218.0 | 171.5 | 69.4 |
| 津(三重県津市) | 213.6 | 182.3 | 32.0 |
| 室戸岬(高知県室戸市) | 210.5 | 202.7 | 27.0 |
| 徳島(徳島県徳島市) | 208.7 | 205.1 | 55.8 |
| 網代(静岡県熱海市) | 192.6 | 122.9 | 48.9 |
| 静岡(静岡県静岡市) | 185.7 | 157.3 | 51.3 |
| 名古屋(名古屋市千種区) | 176.9 | 175.4 | 28.3 |
| 三島(静岡県三島市) | 174.0 | 125.2 | 58.8 |
被害状況
九州から関東の太平洋側を中心に広い範囲で大雨による被害が発生しました。
全体の被害は死者・行方不明者が136人、負傷者が28人、住家の全壊が52棟、半壊が89棟、流失が21棟、一部損壊が261棟、焼失が2棟、床上浸水が4,021棟、床下浸水が35,747棟などでした。静岡県で45人、千葉県で43人の死者・行方不明者が発生し、大きな被害になりました。
まとめ
ダイナ台風についてまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
防災科学技術研究所ホームページ



コメント