災害をもたらした気象事例(18) - 昭和29年台風第12号 -

災害をもたらした気象事例(18) - 昭和29年台風第12号 - 大雨
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はじめに

昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。

一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。

名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年顕著な被害が起きた地域名現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年顕著な被害が起きた地域・河川名台風」が原則です。

この記事では、昭和29年(1953年)9月に被害をもたらした「昭和29年台風第12号」についてまとめます。この台風により西日本の広い範囲で大雨と強風による被害があり、特に宮崎県、大分県、熊本県など九州の各県で大きな被害が発生しました。

台風の経路

昭和29年台風第12号は9月5日にマリアナ諸島の東海上で発生し、11日6時に南大東島に接近し、13日に屋久島の西海上を北上して、15時頃に鹿児島県枕崎市の東に上陸しました。その後、九州を縦断し、14日0時頃に下関付近を通過して1時頃に日本海に抜け、16日9時に温帯性低気圧となり、121時にアムール川中流域で消滅しました。

昭和29年台風第12号経路
昭和29年台風第12号経路図(出典:気象庁ホームページ

台風の概要

西日本では20m/s以上の強風が吹き、九州地方から北陸地方にかけて最大瞬間風速30m/s以上を観測しました。

主な観測地点での最低海面気圧、最大風速、最大瞬間風速は下表の通りです(最大風速が大きい順)(赤字はそれぞれの最高値(気圧は最小値))。最低海面気圧は屋久島で956.7hPaで、上陸した枕崎では959.1hPaでした。また、最大風速は屋久島で32.6m/s(最大瞬間風速40.7m/s)で、最大瞬間風速は徳島で44.5m/sでした。

観測地点最低海面気圧(hPa)最大風速(m/s)最大瞬間風速(m/s)
屋久島(鹿児島県上屋久町)956.732.640.7
徳島(徳島県徳島市)985.132.244.5
種子島(鹿児島県西之表市)959.028.231.2
阿蘇山(熊本県白水村)27.536.3
広島(広島市中区)970.526.232.7
宮崎(宮崎県宮崎市)960.426.138.6
宿毛(高知県宿毛市)975.325.840.0
西郷(島根県西郷町)975.325.235.7
高知(高知県高知市)981.425.136.0
油津(宮崎県日南市)962.225.134.7
清水(高知県土佐清水市)979.024.935.1
牛深(熊本県牛深市)963.724.830.3
都城(宮崎県都城市)961.224.439.0
鹿児島(鹿児島県鹿児島市)958.623.834.4
津(三重県津市)995.723.631.5
室戸岬(高知県室戸市)985.423.531.2
大分(大分県大分市)964.423.533.9
津山(岡山県津山市)980.322.931.9
敦賀(福井県敦賀市)988.922.833.2
高松(香川県高松市)980.121.926.1
下関(山口県下関市)963.321.733.2
潮岬(和歌山県串本町)995.721.628.9
宇和島(愛媛県宇和島市)972.321.132.0
枕崎(鹿児島県枕崎市)959.121.131.5

また、9月10日~14日における期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります(赤字はそれぞれの最高値)。期間降水量は都城で679.6mmに達したほか、九州、四国、紀伊半島で200mmを超えました。最大日降水量も都城の340.7mmが最大で、最大1時間降水量は北海道小樽市の40.2mm(期間降水量:74.4mm、最大日降水量:70.6mm)が最大でした。

観測地点期間降水量(mm)最大日降水量(mm)最大1時間降水量(mm)
都城(宮崎県都城市)679.6340.736.2
阿蘇山(熊本県白水村)416.9200.623.9
宇和島(愛媛県宇和島市)316.7233.131.8
宮崎(宮崎県宮崎市)293.0173.034.3
尾鷲(三重県尾鷲市)280.3154.530.0
油津(宮崎県日南市)268.6149.523.3
宿毛(高知県宿毛市)233.2156.233.7
名瀬(鹿児島県名瀬市)218.4136.329.5
屋久島(鹿児島県上屋久町)210.1112.123.3
大分(大分県大分市)205.9107.815.8

被害状況

この台風により、九州と四国、紀伊半島で大雨となり、被害は九州から関東地方まで拡がりました。特に宮崎県、大分県、熊本県など九州の各県で大きな被害になりました。

全体の被害は死者が107人、行方不明者が37人、負傷者が311人、住家の全壊が2,162棟、半壊が5,749棟、床上浸水が45,040棟、床下浸水が136,756棟などでした。

まとめ

昭和28年台風第13号についてまとめます。

  • 昭和29年台風第12号は枕崎市の東に上陸し、九州を縦断しました
  • 西日本の広い範囲で大雨と強風による被害があり、特に宮崎県、大分県、熊本県など九州の各県で大きな被害が発生しました
  • 特に都城では期間降水量が679.6mm、最大日降水量が340.7mmと豪雨になりました
  • 全体の被害は死者が107人、行方不明者が37人、負傷者が311人、住家の全壊が2,162棟、半壊が5,749棟、床上浸水が45,040棟、床下浸水が136,756棟などでした

この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
防災科学技術研究所ホームページ

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