はじめに
昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。
一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。
名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年+月+顕著な被害が起きた地域名+現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」が原則です。
この記事では、昭和26年(1951年)7月7日から17日にかけて被害をもたらした「低気圧と梅雨前線」についてまとめます。
概要
昭和26年(1951年)7月5日に長江中流域で発生した低気圧が7日に東シナ海に進み、9日まで停滞したため、九州地方を中心に大雨となり各地に水害をもたらしました。低気圧は10日に北上しましたが、活発な寒冷前線の影響で再び西日本で大雨になりました。その後、17日にかけてオホーツク海高気圧と太平洋高気圧が発達し、梅雨前線が本州から九州上に停滞して活動が活発となったため、中部地方以西で大雨になりました。

7月7日~7月17日における期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります(赤字はそれぞれの最高値)。
| 観測地点 | 期間降水量(mm) | 最大日降水量(mm) | 最大1時間降水量(mm) |
|---|---|---|---|
| 阿蘇山(熊本県白水村) | 874.4 | 216.3 | |
| 厳原(長崎県厳原町) | 723.7 | 233.5 | 58.3 |
| 人吉(熊本県人吉市) | 602.2 | 156.5 | 27.5 |
| 鹿児島(鹿児島県鹿児島市) | 593.4 | 155.6 | 29.7 |
| 枕崎(鹿児島県枕崎市) | 582.6 | 198.1 | 45.9 |
| 熊本(熊本県熊本市) | 579.5 | 113.9 | 41.5 |
| 飯塚(福岡県飯塚市) | 540.3 | 131.5 | 44.3 |
| 下関(山口県下関市) | 536.4 | 136.8 | 25.0 |
| 高知(高知県高知市) | 518.7 | 166.3 | 26.7 |
| 平戸(長崎県平戸市) | 504.5 | 176.2 | 37.3 |
被害状況
全体の被害は死者が162人、行方不明者が144人、負傷者が358人、住家全壊が630棟、半壊が727棟、床上浸水が13,532棟、床下浸水が89,766棟などでした。
京都府亀岡市と京都市では平和池の決壊により、死者が91人、行方不明者が23人、負傷者が238人、家屋の被害が15,252棟の甚大な被害が発生しました。亀岡市の総雨量は160mmでした。
また、山口県では佐波川で洪水が発生し、死者が28人、行方不明者が1人、重傷者が33人、軽傷者が395人、住家全壊が362棟、半壊が1,058棟、流出が173棟、床上浸水が4,467棟、床下浸水が18,188棟でした。総雨量は下関市で536.4mmでした。
まとめ
昭和26年7月の低気圧についてまとめます。



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