世界で発生した地震(8) 1971年〜1980年

世界で発生した地震(8) 1971年〜1980年 地震
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はじめに

日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。

下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。

地震の震央分布(2014〜2023)  出典:気象庁

この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。

1971年から1980年に発生した地震

サン・フェルナンド地震(1971年)

1971年2月9日にアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス市郊外のサン・フェルナンドで発生した地震です。震源の深さは13km、地震の規模はM6.6でした。死者が64人、負傷者が1,000余人で、家屋、病院、学校、ダム、高速道路、変電所、ガス、水道などに被害がありました。また、バンノーマン・ダムが決壊に瀕したため、約8万人の住民が緊急避難しました。

トルコ東部の地震(1971年)

1971年5月22日にトルコ東部のビンギョルで発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者は995人でした。

チリの地震(1971年)

1971年7月9日にチリで発生した地震です。地震の規模はM7.5で、死者が83人、負傷者が447人で、イヤペル、ロス・ビロス、ラ・リグアなどで被害がありました。津波も発生しました。

パプアニューギニアの地震(1971年)

1971年7月14日にパプアニューギニアのニューブリテン島で発生した地震です。地震の規模はM7.5で、死者は2人でした。津波も発生しました。

また、7月26日にはニューアイルランド島でM7.9の地震があり、津波も発生しました。

ギール地震(1972年)

1972年4月10日にイラン南部のギールで発生した地震です。地震の規模はM6.8で、死者が5,010人、負傷者が1,710人でした。

ミンダナオ島沖地震(1972年)

1972年12月2日にフィリピンのミンダナオ島で発生した地震です。地震の規模はM7.8で、津波が発生し、日本沿岸では最大50cmでした。

マナグア地震(1972年)

1972年12月23日にニカラグアのマナグアで発生した地震です。地震の規模はM6.2と大きくありませんが、震源の深さが5kmと浅かったために大きな被害となり、死者が8,000〜1万人、負傷者が約2万人でした。都市直撃型地震で、鉄筋コンクリートの建物も破壊されました。

コリマ地震(1973年)

1973年1月30日にメキシコのコリマで発生した地震です。地震の規模はM7.5で、死者は56人でした。

炉霍地震(1973年)

1973年2月6日に中国の四川省炉霍で発生した地震です。地震の規模はM7.6で、死者が2,199人、負傷者が2,743人でした。

プエブラ地震(1973年)

1973年1月30日にメキシコのプエブラで発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が500人、負傷者が600人でした。

大関・永善地震(1974年)

1974年5月10日に中国の雲南省の大関県、永善県、塩津県の境界付近で発生した地震です。地震の規模はM7.1で、死者は1,541人でした。

ペルー沖の地震(1974年)

1974年10月3日にペルー沖で発生した地震で、カヤオやリマに被害をもたらしました。地震の規模はM7.6(Mw8.1)で、死者が78人、負傷者が2,414人でした。津波も発生しました。

パキスタンの地震(1974年)

1974年12月28日にパキスタン北東部のPatanで発生した地震です。地震の規模はM6.2で、死者が5,300人、負傷者が17,000でした。

海城地震(1975年)

1975年2月4日に遼寧省海城市で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が1,328人、負傷者が16,980人でした。この地震は井戸水の異常や動物の異常行動などの情報や地震観測から地震予知をし、住民の強制退避完了後1時間ほどで大地震が発生したという地震予知の成功例です。

リジェ地震(1975年)

1975年9月6日にトルコ東部のリジェで発生した地震です。地震の規模はM6.7で、死者が2,385人、負傷者が53,372人でした。

ニュージーランドの地震(1976年)

1976年1月14日にニュージーランドのケルマデク諸島で発生した地震です。地震の規模がM7.8とM8.2の2回の地震でした。津波も発生しましたが、大きな被害はありませんでした。

グアテマラ地震(1976年)

1976年2月4日にグアテマラで発生した地震です。地震の規模はMw7.5で、死者は22,870人でした。震源の深さが5kmと浅かったことから、甚大な被害となりました。

フリウリ地震(1976年)

1976年5月6日にイタリア北東部のフリウリで発生した地震です。地震の規模はM6.1でしたが、震源の深さは5.7kmと浅かったことから、死者が965人、負傷者が2,400人と大きな被害になりました。

龍陵地震(1976年)

1976年5月29日に雲南省龍陵県で発生した地震です。地震の規模がM7.3とM7.4の2回で、合わせて死者が98人、負傷者が2,442人でした。この地震でも異常現象から地震予知に成功し、地震予報を発表した23時間後に地震が発生してほとんどの家屋が倒壊したにも関わらず、死者は避難命令に従わなかった98人に留まりました。

インドネシアの地震(1976年)

1976年6月25日にインドネシアのイリアンジャヤで発生した地震です。地震の規模はM7.1で、死者は6,000人でした。

また、10月29日にもM7.2の地震が発生し、死者が6,000人でした。

バリ地震(1976年)

1976年7月14日にインドネシアのバリ島で発生した地震です。地震の規模はM6.5で、死者が563人、負傷者が2,300人でした。

唐山地震(1976年)

1976年7月28日に河北省唐山市で発生した地震です。地震の規模はM7.8でした。唐山市は人口が100万人の大都市で、また、北京や天津にも近いことから、死者が242,000人、重傷者が164,000人という甚大な被害となりました。

ミンダナオ地震(1976年)

1976年8月16日にフィリピンのミンダナオ島で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者は8,000人でした。津波も発生し、Moro湾では14フィート(4.27m)でした。

トルコとイランの国境付近の地震(1976年)

1976年11月24日にトルコとイランの国境付近で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は3,900人でした。

ヴランチャ地震(1977年)

1977年3月4日にルーマニア東部のヴランチャで発生した地震です。地震の規模はM7.2で、死者は1,581人でした。

スンバワ島地震(1977年)

1977年8月19日にインドネシアのスンバワ島で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者が189人、負傷者が75人でした。津波も発生しました。

カウセテ地震(1977年)

1977年11月23日にアルゼンチンのサン・ファン州カウセテで発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者が70人、負傷者が200人でした。

タバス地震(1978年)

1978年9月16日にイラン北東部のタバスで発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者は18,220人でした。

モンテネグロ地震(1979年)

1979年4月15日にモンテネグロ(当時はユーゴスラビア)とアルバニアに被害をもたらしたで地震です。地震の規模はM6.9で、死者は129人でした。

トゥマコ地震(1979年)

1979年12月12日にコロンビアのトゥマコとアルメニアの近海で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者が600人、負傷者が2万人でした。津波が発生し、死者の80%が津波によるものでした。

エル・アスナム地震(1980年)

1980年10月10日にアルジェリアのエル・アスナムで発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が3,500人、負傷者が9,000人でした。

イルピニア地震(1980年)

1980年11月23日にイタリアのカンパニア州で発生した地震です。地震の規模はM6.7で、死者が2,483人、負傷者が8,934人でした。

まとめ

この記事をまとめます。

  • 1971年から1980年の期間で地震の規模が大きかった地震は、ニュージーランドの地震(M8.2)でした
  • 死者が多かった地震は、ギール地震、マナグア地震、大関・永善地震、パキスタンの地震、海城地震、リジェ地震、グアテマラ地震、インドネシアの地震、唐山地震、ミンダナオ地震、トルコとイランの国境付近の地震、エル・アスナム地震でした
  • 特に唐山地震では24.2万人、グアテマラ地震では約2.3万人、タバス地震では約1.8万人の死者があり、甚大な被害となりました
  • 津波が発生した地震は、チリの地震、ペルー沖の地震、ニュージーランドの地震、ミンダナオ地震、スンバワ島地震でした
  • 海城地震と龍陵地震では地震予知に成功し、被害を低減しました

この記事は下記を参考にして作成しました。

気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
国土地理院ホームページ
損害保険料率算出機構ホームページ
地震研究所研究速報, 第13号(1974)77−84
国土地理院ホームページ
愛知工業大学研究報告, 第35号 B, 平成12年 97-102
地質調査総合センターホームページ
JICA報告書
気象庁ホームページ
防災科学技術研究所ライブラリー
東南アジア研究,15巻 1号(1977)95-109
JICAホームページ

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