災害をもたらした気象事例(24) - 昭和34年台風第7号 -

災害をもたらした気象事例(24) - 昭和34年台風第7号 - 大雨
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はじめに

昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。

一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。

名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年+月+顕著な被害が起きた地域名+現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」が原則です。

この記事では、昭和34年(1959年)8月に被害をもたらした「昭和34年台風第7号」についてまとめます。この台風は富士川河口付近に上陸し、甲府盆地の西部を北上し、直江津付近から日本海に抜け、中部地方を中心に暴風と大雨による被害が発生しました。

台風の経路

昭和34年台風第7号は8月12日に硫黄島の南東海上で発生し、14日6時半頃に駿河湾から静岡県の富士川河口付近に上陸し、7時半ごろに甲府盆地の西部を非常に早い速度で北上し、10時に直江津付近を通って日本海に抜け、11時に佐渡の西方海上に達しました。そして、15日3時に熱帯低気圧となって沿海州に上陸し、9時に温帯低気圧になりました。 

1959年台風第7号
昭和34年台風第7号経路図(出典:気象庁ホームページ)

台風の概要

この台風は、8月12日9時に中心気圧が995hPa、13日9時に中心気圧が960hPa、最大風速が45m/s、風速25m/sの暴風半径は110kmで、強い風の範囲は狭かったものの、中心付近の風は猛烈でした。

主な観測地点での最低海面気圧、最大風速、最大瞬間風速は下表の通りです(最大風速が大きい順)(赤字はそれぞれの最高値(気圧は最小値))。最低海面気圧は石廊崎で959.2hPa、最大風速も石廊崎で48.8m/s、最大瞬間風速も石廊崎で64.0m/sでした。

観測地点最低海面気圧(hPa)最大風速(m/s)最大瞬間風速(m/s)
石廊崎(静岡県南伊豆町)959.248.864.0
甲府(山梨県甲府市)968.233.943.2
大島(東京都大島町)987.530.035.0
三島(静岡県三島市)977.229.844.0
御前崎(静岡県御前崎町)983.229.634.0
三宅島(東京都三宅村)985.825.729.3
静岡(静岡県静岡市)973.524.132.9
前橋(群馬県前橋市)990.823.132.6
八丈島(東京都八丈町)988.022.644.3
寿都(北海道寿都町)1000.821.926.2
酒田(山形県酒田市)991.721.128.7

また、8月12日~14日における期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります(赤字はそれぞれの最高値)。期間降水量は日光で764.8mmに達したほか、近畿から関東地方にかけて200mmを超える雨が降り、山間部では600~800mmに達しました。最大日降水量も大島の419.2mmが最大で、最大1時間降水量も日光の519.1mmが最大で、最大1時間降水量は津の95.3mmが最大でした。

観測地点期間降水量(mm)最大日降水量(mm)最大1時間降水量(mm)
日光(栃木県日光市)764.8519.146.5
津(三重県津市)462.2288.295.3
尾鷲(三重県尾鷲市)447.2234.148.0
河口湖(山梨県河口湖町)347.8260.538.9
京都(京都市中京区)346.4288.660.4
秩父(埼玉県秩父市)341.2222.735.9
軽井沢(長野県軽井沢町)286.9271.736.2
彦根(滋賀県彦根市)280.0167.752.1
静岡(静岡県静岡市)268.3188.169.2
三島(静岡県三島市)264.0201.631.5
岐阜(岐阜県岐阜市)261.4166.835.1
敦賀(福井県敦賀市)257.6178.835.1
伊良湖(愛知県渥美町)253.5136.538.5
名古屋(名古屋市千種区)234.099.424.3
上野(三重県上野市)221.8136.433.4
奈良(奈良県奈良市)220.5182.332.4
金沢(石川県金沢市)217.1112.023.6
和歌山(和歌山県和歌山市)206.2155.442.0
舞鶴(京都府舞鶴市)202.998.328.3

被害状況

昭和34年台風第7号は昭和34年台風第6号や前線による大雨の直後だったため、長野県と山梨県をはじめとして、近畿地方や東海地方で大きな被害になりました。

全体の被害は死者が188人、行方不明者が47人、負傷者が1,528人、住家の全壊が4,089棟、半壊が10,139棟、床上浸水が32,298棟、床下浸水が116,309棟などでした。特に山梨県と長野県での被害が大きく、 死者・行方不明はそれぞれ90人、72人でした。

昭和34年台風第7号に関わる自然災害伝承碑が、 山梨県北杜市、韮崎市、静岡県静岡市、長野県原村などに残されています。

治水興郷
治水興郷(山梨県北杜市)(出典:国土地理院ホームページ)

まとめ

昭和34年台風第7号についてまとめます。

  • 昭和34年台風第7号は富士川河口付近に上陸し、甲府盆地の西部を北上し、直江津付近から日本海に抜けました
  • 中部地方を中心に暴風と大雨による被害が発生しました
  • 全体の被害は死者が188人、行方不明者が47人、負傷者が1,528人、住家の全壊が4,089棟、半壊が10,139棟、床上浸水が32,298棟、床下浸水が116,309棟などでした。

この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
防災科学技術研究所ホームページ
国土地理院ホームページ

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