災害をもたらした気象事例(16) - 南山城の大雨 -

災害をもたらした気象事例(16) - 南山城の大雨 - 大雨
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昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。

一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。

名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年顕著な被害が起きた地域名現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年顕著な被害が起きた地域・河川名台風」が原則です。

この記事では、昭和28年(1953年)8月11日から15日にかけて被害をもたらした「 南山城の大雨」についてまとめます。寒冷前線により京都府南部から滋賀県南部さらに三重県西部にかけての地域が雷を伴った局地的な激しい豪雨になり、河川の氾濫や土石流が発生する大災害になりました。「南山城水害」とも呼ばれています。

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概要

昭和28年(1953年)8月13日にサハリンからオホーツク海に進んだ低気圧から伸びる寒冷前線が、北海道の南東岸から東北地方北部を通って朝鮮半島中部に達して停滞し、14日には南下して東北地方南部から北陸、近畿北部に停滞しました。これにより東北地方で大雨となり、山形県や秋田県を中心に被害が発生しました。さらに、5日には前線はさらに南下して関東地方南部、東海、山陰に達し、16日まで停滞しました。京都府南部、滋賀県南部、三重県、奈良県では14日夜から15日朝にかけて雷を伴う局地的な豪雨となり、特に京都府和束町湯船では総雨量が428mm、時間雨量が100mmに達する大雨が降りました。この大雨に対して「集中豪雨」という用語が初めて公に使用されました。

昭和28年8月15日の天気図
昭和28年8月15日の天気図(出典:気象庁ホームページ

8月11日~15日における気象官署での期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります(赤字はそれぞれの最高値)。被災地に近い上野市(現在は伊賀市)の降水量が多いことがわかります。それに対して近隣の都市では奈良市しか統計に現れておらず、局地的な豪雨だったことがわかります。

観測地点期間降水量(mm)最大日降水量(mm)最大1時間降水量(mm)
上野(三重県上野市)312.2286.781.2
三宅島(東京都三宅村)303.1210.010.9
酒田(山形県酒田市)165.7154.044.9
潮岬(和歌山県串本町)154.578.738.5
静岡(静岡県静岡市)142.549.023.5
金沢(石川県金沢市)140.491.437.2
高山(岐阜県高山市)136.271.721.7
御前崎(静岡県御前崎町)133.354.630.0
高田(新潟県上越市)124.251.638.6
奈良(奈良県奈良市)120.388.747.3
福井(福井県福井市)116.2104.341.7
新潟(新潟県新潟市)113.081.124.9
相川(新潟県相川町)109.967.228.5
富山(富山県富山市)103.749.519.7

被害状況

全体の被害は死者が290人、行方不明者が140人、負傷者が994人、住家の全壊が893棟、半壊が765棟、床上浸水が6,222棟、床下浸水が18,894棟などでした。京都府相楽郡では洪水や土石流の発生や堤防の決壊が起こり、綴喜郡井手町では大正池の堤防が決壊するなどの被害が発生し、相楽、綴喜地方で死者・行方不明者が336人、重傷者が1,366人、被災家屋が5,676棟でした。また、南山城村では死者・行方不明者が54人、負傷者が959人、家屋全壊が62棟、半壊が90棟、流失が45棟、浸水が265棟でした。さらに、滋賀県多羅尾村(現在は信楽町)では山崩れにより40人を超える死者が出ました。

被災した大河原駅の上空からの写真
被災した大河原駅の上空からの写真(出典:南山城村ホームページ
木津川の氾濫により流されてきた立木、土砂の堆積した様子
木津川の氾濫により流されてきた立木、土砂の堆積した様子(出典:南山城村ホームページ

南山城水害に関わる自然災害伝承碑が、京都府木津川市、南山城村、三重県伊賀市などに残されています。

南山城水害記念碑
南山城水害記念碑(京都府木津川市)(出典:国土地理院ホームページ

まとめ

昭和28年の南山城の大雨についてまとめます。

  • 寒冷前線による局地的豪雨が京都府南部から滋賀県南部さらに三重県西部を襲い、河川の氾濫や土石流が発生する大災害になりました
  • 全体の被害は死者が290人、行方不明者が140人、負傷者が994人、住家の全壊が893棟、半壊が765棟、床上浸水が6,222棟、床下浸水が18,8942棟などでした
  • 洪水や土石流の発生や堤防の決壊により相楽、綴喜地方で死者・行方不明者が336人、重傷者が1,366人、被災家屋が5,676棟でした
  • 南山城村では死者・行方不明者が54人、負傷者が959人、家屋全壊が62棟、半壊が90棟、流失が45棟、浸水が265棟でした

この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
南山城村ホームページ
京都府ホームページ
国土地理院ホームページ

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