はじめに
昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100人以上の事例をまとめます。
一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。
名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年+月+顕著な被害が起きた地域名+現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」が原則です。
この記事では、1949年に発生した「キティ台風」についてまとめます。この台風により、沿岸部では高潮による浸水被害が、河川上流部では豪雨による堤防決壊や出水による被害が発生しました。
台風の経路
キティ台風(昭和24年台風第10号)は昭和24年(1949年) 8月28日〜9月1日に発生した台風です。8月28日に南鳥島近海で発生し、31日10時頃に八丈島を通過、19時過ぎ神奈川県小田原市の西に上陸して東京西部、埼玉県熊谷市付近を通り、9月1日0時頃に新潟県柏崎市付近から日本海に抜け、温帯低気圧になりました。

台風の概要
台風の影響により東海、関東、北日本の日本海側で暴風が吹き、山岳部では降水量が多くなりました。また、台風の通過が満潮時刻と重なったため関東地方では高潮となりました。
主な観測地点での最低海面気圧、最大風速、最大瞬間風速は下表の通りです(最大風速が大きい順)。八丈島(東京都八丈町)で最大風速33.2m/s(最大瞬間風速47.2m/s)、横浜で32.5m/s(同44.3m/s)を観測しました(赤字はそれぞれの最高値(気圧は最小値))。
| 観測地点 | 最低海面気圧(hPa) | 最大風速(m/s) | 最大瞬間風速(m/s) |
|---|---|---|---|
| 八丈島(東京都八丈町) | 956.5 | 33.2 | 47.2 |
| 横浜(横浜市中区) | 981.0 | 32.5 | 44.3 |
| 寿都(北海道寿都町) | 990.7 | 31.6 | 38.5 |
| 石廊崎(静岡県南伊豆町) | 972.7 | 30.9 | 41.2 |
| 三宅島(東京都三宅村) | 969.3 | 30.2 | 40.7 |
また、8月31日~9月1日における期間降水量、最大日降水量、最大1時間降水量を、期間降水量が多かった順にまとめると下表になります。日光(栃木県日光市)では期間降水量が640.4mmと大雨になりました(赤字はそれぞれの最高値)。
| 観測地点 | 期間降水量(mm) | 最大日降水量(mm) | 最大1時間降水量(mm) |
|---|---|---|---|
| 日光(栃木県日光市) | 640.4 | 454.5 | 56.1 |
| 軽井沢(長野県軽井沢町) | 349.1 | 318.8 | 42.2 |
| 河口湖(山梨県河口湖町) | 345.3 | 342.1 | 58.8 |
| 秩父(埼玉県秩父市) | 297.8 | 294.6 | 30.6 |
| 富山(富山県富山市) | 140.9 | 81.3 | 25.4 |
| 白河(福島県白河市) | 140.2 | 87.2 | 18.7 |
| 三島(静岡県三島市) | 135.7 | 126.9 | 23.4 |
| 松本(長野県松本市) | 130.4 | 116.7 | 15.6 |
| 網代(静岡県熱海市) | 120.9 | 115.8 | 29.3 |
| 八丈島(東京都八丈町) | 118.3 | 107.5 | 26.1 |
さらに、東京で最大潮位偏差が1.4mの高潮が観測されました。
被害状況
全体の被害は死者が135人、行方不明者が25人、負傷者が479人、住家の全壊が3,733棟、半壊が13,470棟、床上浸水が51,899棟、床下浸水が92,161棟などでした。
東京で死者・行方不明者が122人発生し、群馬県東村沢入では土砂災害で32名が生き埋めになったのをはじめ、山岳部では小河川の氾濫が多く発生し、沿岸部では浸水や船舶の被害が多数発生しました。
まとめ
キティ台風についてまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
防災科学技術研究所ホームページ



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