- はじめに
- 1941年から1950年に発生した地震
- アンダマン諸島の地震(1941年)
- グロリア断層地震(1941年)
- 中埔地震(1941年)
- ペルー・エクアドル沖の地震(1942年)
- ペルー沿岸の地震(1942年)
- プリンス・エドワード諸島の地震(1942年)
- ニクサル・エルバー地震(1942年)
- メキシコの地震(1943年)
- チリの地震(1943年)
- アダパザル・ヘンデッキ地震(1943年)
- インドネシアの地震(1943年)
- トシヤ・ラディッキ地震(1943年)
- アルゼンチンの地震(1944年)
- ボル・ゲレデ地震(1944年)
- Makran地震(1945年)
- アリューシャン地震(1946年)
- トルコの地震(1946年)
- ドミニカ共和国の地震(1946年)
- ペルーの地震(1946年)
- 新化地震(1946年)
- フィリピンの地震(1948年)
- 理塘地震(1948年)
- アシガバート地震(1948年)
- Khait(ハイト)地震(1949年)
- エクアドルの地震(1949年)
- トルコの地震(1949年)
- カナダの地震(1949年)
- アッサム-チベット地震(1950年)
- まとめ
はじめに
日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。
下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。
この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。
1941年から1950年に発生した地震
アンダマン諸島の地震(1941年)
1941年6月26日にアンダマン諸島(インド、ミャンマー)で発生した地震です。地震の規模はM8.1でした。
グロリア断層地震(1941年)
1941年11月25日に北大西洋のグロリア断層で発生した地震です。地震の規模はM8.3〜8.4で、津波も発生しました。
中埔地震(1941年)
1941年12月17日に台湾中西部の嘉義中埔で発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者は357人でした。震央から約24kmの阿里山および約59kmの台南で震度IVが観測されました。
ペルー・エクアドル沖の地震(1942年)
1942年5月14日にペルーのエクアドル沖で発生した地震です。地震の規模はM7.9で死者は200人でした。
ペルー沿岸の地震(1942年)
1942年8月24日にペルー沿岸で発生し、ナスカに被害をもたらした地震です。地震の規模はM8.1で死者は30人でした。津波も発生しました。
プリンス・エドワード諸島の地震(1942年)
1942年11月10日にインド洋のプリンス・エドワード諸島で発生した地震です。地震の規模はM8.3でした。プリンス・エドワード諸島はアフリカ大陸と南極大陸の中間にある南アフリカ共和国領土で、定住者はいません。
ニクサル・エルバー地震(1942年)
1942年12月20日にトルコ中部で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は3,000人でした。
メキシコの地震(1943年)
1943年2月22日にメキシコで発生した地震です。地震の規模はM7.8で、死者は10人でした。
この地震により地割れが発生し、そこから噴火が始まり、翌日には10m、一週間後に150m、1年後に336m、噴火が終わった8年後には424mの高さにまでなったパリクティン火山ができました。典型的なストロンボリ式噴火で、阿蘇の米塚のようなスコリア丘です。
チリの地震(1943年)
1943年4月6日にチリのコキンポ沖で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者は30人でした。チリのバルパライソでは津波が36時間以上続きました。日本にも津波が到達し、串本で25cmでした
アダパザル・ヘンデッキ地震(1943年)
1943年6月20日にトルコのアダパザル郡とヘンデッキ郡において発生した地震です。地震の規模はM6.6で、死者は336人でした。
インドネシアの地震(1943年)
1943年7月23日にインドネシアのジャワ島付近で発生した地震です。地震の規模はM8.1で、死者は213人でした。
トシヤ・ラディッキ地震(1943年)
1943年11月26日にトルコ中部のサムスン県ラディッキ市で発生した地震です。地震の規模はM7.6で、死者は4,000人でした。
アルゼンチンの地震(1944年)
1944年1月15日にアルゼンチン中部で発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者は8,000人でした。
ボル・ゲレデ地震(1944年)
1944年2月1日にトルコで発生した地震です。地震の規模はM7.6で、死者は3,959人でした。
1942年のニクサル・エルバー地震、1943年のアダパザル・ヘンデッキ地震とトシヤ・ラディッキ地震、1944年のボル・ゲレデ地震は、トルコを横断する大断層である北アナトリア断層がエルジンジャ
ンから震源を移動しながら発生した地震でした。
Makran地震(1945年)
1945年11月27日にパキスタン沖合6kmで発生した地震です。地震の規模はM8.1で、死者は4,100人でした。この地震によりアラビア海全体で津波が発生し、大きな被害をもたらしました。パキスタン沿岸を襲った津波は12〜15mでした。
アリューシャン地震(1946年)
1946年4月1日にアリューシャン列島のウニマク島付近で発生した地震です。地震の規模はM7.4で典型的な津波地震でした。津波は太平洋の広範囲に被害をもたらし、特にハワイの被害が大きくなりました。この時にハワイの日系移民が「Tsunami」と称したことから、「Tsunami」が世界の共通語になりました。死者・行方不明者は173人でした。
トルコの地震(1946年)
1946年5月31日にトルコ東部のムシュで発生した地震です。地震の規模はM5.9で、死者は1,300人でした。
ドミニカ共和国の地震(1946年)
1946年8月4日にドミニカ共和国のSamana付近で発生した地震です。地震の規模はM8.1で、死者は100人で、約2万人が家を失いました。また、津波による被害も発生し、津波による溺死者は 2,550人と報告されています。8月8日にはM7.9の余震も発生しました。
ペルーの地震(1946年)
1946年11月10日にペルーのアンカシュ地方で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は1,400人でした。
新化地震(1946年)
1946年12月5日に台湾の台南市新化で発生した地震です。地震の規模はM6.1で、死者が74人、重傷者が200人、軽傷者が274人、民家の全壊が1,971棟でした。
フィリピンの地震(1948年)
1948年1月24日にフィリピンのパナイ島で発生した地震です。地震の規模はM8.3で、死者は72人でした。この地震で1797年に建てられたミアガオ教会が大きな被害を受けましたが1962年に修復が完成し、1993年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
理塘地震(1948年)
1948年5月25日に中国の四川省で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は737人でした。
アシガバート地震(1948年)
1948年10月5日にトルクメニスタンのアシガバードで発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は19,800人、負傷者は10,000人でした。死者が11万人という説もありますが、当時はソ連の統治下で情報が限られていたため正確な数字は不明です。
Khait(ハイト)地震(1949年)
1949年7月10日にタジキスタンの中央北部のハイト村付近で発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者は12,000人でした。震源付近では大規模な地すべりが発生し、複数の集落が土砂に埋まり壊滅するなどの甚大な被害がありました。
エクアドルの地震(1949年)
1949年8月5日にエクアドル中央部で発生した地震です。地震の規模はM6.8で、死者は6,000人、被災者数は10万人でした。この地震でアンバト市が大きな被害を受けました。
トルコの地震(1949年)
1949年8月17日にトルコでのビンギョル県カルリオヴァで発生した地震です。地震の規模はM6.8で、死者は320人でした。北アナトリア断層帯による地震です。
カナダの地震(1949年)
1949年8月22日にカナダのクイーン・シャーロット諸島で発生した地震です。地震の規模はM8.1でした。
アッサム-チベット地震(1950年)
1950年8月15日にインド(アッサム)と中国(チベット)の国境付近で発生した地震です。地震の規模はM8.6で20世紀に発生した地震の中で6番目に大きなものであり、内陸の地震としては最大級でした。死者はインドで1,526人、中国で3,300人でした。二つの大陸プレートの衝突により発生した地震と言われています。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
Natural Hazards and Earth System Sciences, Volume 16, Issue 8, 2016, pp.1967-1977
地球惑星科学関連学会2000年合同大会予稿集,Sk-P015
内閣府防災情報のページ
東京外国語大学ホームページ
Japan Journal for Science, Technology & Society, VOL. 16 (2007), pp. 59-77
土木学会論文集B2(海岸工学), Vol. B2-65,No.1,2009,306-310
国土地理院ホームページ
京都大学ホームページ
中央氣象署ホームページ
JICA報告書
JICA報告書
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