はじめに
日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。
下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。
この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。
1901年から1910年に発生した地震
ウズベキスタンの地震(1902年)
1902年12月16日にウズベキスタンで発生した地震です。地震の規模は M6.4で、死者は4,700人でした。この地震によりアンディジャンの古代遺跡が損壊しました。
トルコの地震(1903年)
1903年4月28日にトルコ東部の Malazgirt で発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者は3,560人でした。
カングラ地震(1905年)
1905年4月4日にインド北部のカングラで発生した地震です。地震の規模はMw7.8(Ms8.0)で、死者は2万人でした。
モンゴルの地震(1905年)
ツェツェルレグ(Tsetserleg)地震
1905年7月9日にモンゴルの Tsetserleg で発生した地震です。地震の規模は Mw8.1で、延長120kmの地震断層が出現しました。
ブルネイ(Bulnay)地震
1905年7月23日にモンゴルの Bulnay で発生した地震です。地震の規模は Mw8.3で、延長370kmの地震断層が出現しました。地震発生直後には、深さ60メートルで幅10メートルの割れ目ができたことが記録されています。
いずれも大陸内部に起こった地震としては最大規模のものです。
イタリアの地震(1905年)
1905年9月8日にイタリアのカラブリア州で発生した地震です。地震の規模はM7.2で、カラブリア州とシチリア島のかなりの村が壊滅状態になりました。死者は千人を超え、けが人は数千人と言われています。当時の国王のヴィクトル・エマニュエル3世が被災地を訪れました。
エクアドル・コロンビア地震(1906年)
1906年2月1日に中米のエクアドルとコロンビアで発生した地震です。 地震の規模はM8.4で、死者は1,000人でした。コロンビアのトゥマコでは5mの津波を観測し、日本沿岸の太平洋側に津波が到達し、和歌山県串本で48cmの津波を観測しました。
梅山地震(1906年)
1906年3月17日に台湾の梅山で発生した地震です。地震の規模はM7.1で、死者が1,258人、重傷者が745人、軽傷者が1,640人でした。また、家畜の死傷が734頭、民家の全壊が6,769軒、半壊が3,633軒ありました。
サンフランシスコ地震(1906年)
1906年4月18日にアメリカのサンフランシスコで発生した地震です。地震の規模はMw7.9(Ms8.3)で、死者は3,000人でした。家屋やビルの倒壊やガス管の破裂があり、大火事が数日間続き、多くの人が家を失いました。
バルパライソ地震(1906年)
1906年8月17日にチリのバルパライソで発生した地震です。地震の規模は Mw8.2(Ms8.4)で、死者は3,800人でした。この地震による津波が日本にも到達し、串本で35cm、函館で24cmでした。
スマトラ島北部沖の地震(1907年)
1907年1月4日にインドネシアのスマトラ島北部沖で発生した地震です。地震の規模はM7.5で死者は400人でした。また、2mの津波が発生しました。
キングストン地震(1907年)
1907年1月14日にジャマイカのキングストン付近で発生した地震です。地震の規模はM6.5で、死者は1,000人以上です。この地震によりジャマイカの北海岸で2mの津波がありました。火災も発生し、地震と火災によりキングストンのすべての建物が損傷を受けました。
タジキスタンの地震(1907年)
1907年10月21日にタジキスタン中央北部で発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者は15,000人でした。
メッシーナ地震(1908年)
1908年12月28日にイタリア南部のシチリア島近くのメッシーナ海峡付近を震源とする地震です。地震の規模はM7.2で、死者は75,000人でした。20世紀以降で最も被害が大きかったヨーロッパで発生した地震です。
イランの地震(1909年)
1909年1月23日にイランで発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は5,500人でした。
台湾 基隆東方近海の地震(1910年)
1910年4月12日に台湾の基隆沖で発生した地震です。地震の規模はM8.3でした。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
地質ニュース
気象庁ホームページ
日本台湾学会ニュースレター
内閣府防災情報のページ
国土交通省ホームページ
気象庁ホームページ
中央気象局ホームページ
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