はじめに
昭和20年以降に発生した気象災害(台風、風水害、雪害)のうち、死者・行方不明者数が100名以上の事例をまとめます。
一方、顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。気象災害(台風を除く)では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合に、台風では顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害など)が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合に名付けられます。
名称の付け方は気象災害(台風を除く)では「元号年+月+顕著な被害が起きた地域名+現象名(豪雨、豪雪、暴風、高潮等)」で、台風では「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」が原則です。
この記事では、室戸台風と伊勢湾台風に並ぶ「昭和の三大台風」のひとつである「枕崎台風」についてまとめます。枕崎台風は終戦直後の昭和20年9月に発生した非常に強い大型台風で、9月17日と18日に被害が発生しました。終戦直後で気象情報が少なく防災体制も十分でなかったこともあり各地で大きな被害となり、特に広島県に甚大な被害をもたらしました。
台風の経路
枕崎台風は昭和20年9月11日頃にマリアナ付近で発生し、17日17日14時頃に鹿児島県枕崎市付近に上陸し、豊後水道、周防灘を経て瀬戸内海に入って広島県を通り、18日午前2時頃に兵庫県豊岡町(現豊岡市)付近から日本海に抜け、東北地方北部を通って午後に太平洋側に抜けました。

台風の概要
枕崎市上陸時の最低海面気圧は916.1hPaで、室戸台風において室戸岬(高知県室戸市)で観測された911.6hPaに次ぐ低い値でした。
また、猛烈な風が吹き、宮崎県細島(灯台:海上保安庁)で最大風速51.3m/s(最大瞬間風速75.5m/s)、枕崎で40.0m/s(同62.7m/s)、広島で30.2m/s(同45.3m/s)でした。
さらに、降水量も多く、期間降水量は九州と中国地方で200mmを超えたところがありました。
被害状況
全体の被害は死者が2,473人、行方不明者が1,283人、負傷者が2,452人、住家損壊が89,839棟、浸水が273,888棟などでした。
特に広島県での被害が甚大で、県全体での死者が2,012人でした。その中でも呉市では河川の氾濫、山腹の崩壊、堤防決壊、土石流により死者が1,154人、家屋流失が1,162棟、半壊が792棟でした。また、宮島では土石流により厳島神社が土砂に埋まる被害がありました。さらに、大野村(現佐伯郡大野町)では丸石川で大規模土石流が発生し、下流部の大野陸軍病院を直撃して180人近くの人が亡くなりました。当時の広島県は戦災により気象台の電話が復旧しておらず、一般市民への台風襲来の情報を十分に流せなかったことが被害を拡大させたと言われています。

一方、山口県でも死者が427人、行方不明者が274人、負傷者が283人、家屋の流出が501棟、全壊が1,330棟、半壊が2,760棟、床上浸水が12,679棟、床下浸水が18,442棟で、道路損壊、橋梁流出、船舶の流出や沈没などの被害があり、被害額の総計は約2億7700万円でした。
広島県府中市に洪水災害復旧記念碑が、広島県呉市、江田島市、岡山県鏡野町に慰霊碑が残されています。

まとめ
枕崎台風についてまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
国土地理院ホームページ
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
国立公文書館ホームページ
土砂災害ポータルひろしま
土砂災害ポータルひろしま
山口県ホームページ



コメント