- はじめに
- 1991年から2000年に発生した地震
- アフガニスタンの地震(1991年)
- テリーレ・リモン地震(1991年)
- ラチャ地震(1991年)
- ウッタルカシ地震(1991年)
- エルジンジャン地震(1992年)
- ランダース地震(1992年)
- ニカラグア近海の地震(1992年)
- エジプトの地震(1992年)
- フローレス島地震(1992年)
- グアム島地震(1993年)
- ラトゥール地震(1993年)
- ノースリッジ地震(1994年)
- スマトラ島の地震(1994年)
- ジャワ東部地震(1994年)
- パエス地震(1994年)
- ボリビア深発地震(1994年)
- アルジェリアの地震(1994年)
- ミンドロ島地震(1994年)
- トンガの地震(1995年)
- 東ティモールの地震(1995年)
- サハリン地震(1995年)
- チリ北部地震(1995年)
- ディナール地震(1995年)
- コリマ地震(1995年)
- 麗江地震(1996年)
- イリアンジャヤ地震(1996年)
- アリューシャン地震(1996年)
- イラン北部の地震(1997年)
- パキスタンの地震(1997年)
- イラン北西部の地震(1997年)
- ガエン地震(1997年)
- カリアコ地震(1997年)
- 張北-尚義地震(1998年)
- アフガニスタン北東部の地震(1998年)
- 南極海の地震(1998年)
- ボリビア中部の地震(1998年)
- アフガニスタン北部の地震(1998年)
- トルコの地震(1998年)
- パプアニューギニア地震 (1998年)
- モルッカ海南部の地震(1998年)
- キンディオ地震(1999年)
- コジャエリ地震(イズミット地震)(1999年)
- アテネ地震(1999年)
- 集集地震(921大地震)(1999年)
- ボル・デュズジェ地震(1999年)
- バヌアツの地震(1999年)
- スラウェシ島の地震(2000年)
- スマトラ島沖地震(2000年)
- ニューアイルランド地震(2000年)
- まとめ
はじめに
日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。
下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。

この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。
1991年から2000年に発生した地震
アフガニスタンの地震(1991年)
1991年2月1日にアフガニスタンとパキスタンの国境付近のヒンドゥークシュ山脈で発生した地震です。地震の規模はM6.4で死者は703人でした。
テリーレ・リモン地震(1991年)
1991年4月22日にコスタリカで発生した地震です。地震の規模はMs7.4で死者は75人でした。この地震によりリモン市では2m以上の陸地の隆起があり、高さ3mの津波も発生しました。また、広範囲にわたって液状化現象が起き、大規模は斜面崩壊もありました。
ラチャ地震(1991年)
1991年4月29日にジョージアで発生した地震です。地震の規模はM7で死者は184人でした。
ウッタルカシ地震(1991年)
1991年10月20日にインド北部で発生した地震です。地震の規模はM7で、死者が2,000人、負傷者が1,800人でした。
エルジンジャン地震(1992年)
1992年3月13日にトルコのエルジンジャン県で発生した地震です。地震の規模はM6.8で、死者が652人、負傷者が2,000人でした。
ランダース地震(1992年)
1992年6月28日にアメリカのカリフォルニア州のサンアンドレアス断層の東側に広がる東カリフォルニア剪断帯を震源とする地震です。地震の規模はM7.3でした。人口密集地から遠く離れた砂漠内部での地震だったため被害は大きくはなく、死者が3人、負傷者が400人でした。
ニカラグア近海の地震(1992年)
1992年9月2日にニカラグア近海の太平洋海溝付近で発生した地震です。地震の規模はM7.2で津波が発生しました。この津波によりニカラグアの太平洋岸の全域に被害があり、死者は184人でした。
エジプトの地震(1992年)
1992年10月12日にエジプトのカイロ南方で発生した地震です。地震の規模はM5.3で、死者が552人、負傷者が9,929人でした。大きな地震ではありませんがエジプトでは地震が多くないこともあり、建物の強度がないために多くの犠牲者となりました。
フローレス島地震(1992年)
1992年12月12日にインドネシアで発生した地震です。地震の規模はM7.5でした。この地震により大規模な津波が発生し、最大遡上高さが20mを超える津波がフローレス島を襲いました。早いところでは地震の発生してから数分後のことでした。地震と津波によりで死者が約1,740人、負傷者が2,144人でした。
グアム島地震(1993年)
1993年8月8日にグアム島付近で発生した地震です。地震の規模はM8.1でした。死者や重傷者はなく、軽傷者が71人でした。
ラトゥール地震(1993年)
1993年9月29日にインド西部のマハラシュトラ州ラトゥールで発生した地震です。地震の規模はM6.2ですが、死者が9,748人、負傷者が3万人でした。耐震性が低い日干し煉瓦造りの建物が多かったため、建物の倒壊による犠牲者が多くなりました。
ノースリッジ地震(1994年)
1994年1月17日にアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス北部で発生した都市直下型地震です。地震の規模はM6.8で、死者が60人、負傷者が9,000人、被害額は200億ドルでした。道路高架橋の損壊、貨物列車の脱線、ライフラインへの影響もありました。
スマトラ島の地震(1994年)
1994年2月15日にインドネシアのスマトラ島南部で発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者が207人、負傷者が2,000人でした。
ジャワ東部地震(1994年)
1994年6月2日にインドネシアの東ジャワ州で発生した地震です。地震の規模はM7.2でした。地震発生の1時間後に津波がジャワ島南部とバリ島南西部を襲い、大きな被害となりました。地震と津波による死者は277人、負傷者は423人でした。
パエス地震(1994年)
1994年6月6日にコロンビア南部のカウカ県パエス村付近で発生した地震です。地震の規模はM6.6で、死者は800人でした。地震当時、コロンビアは雨期で地盤は完全に飽和状態となっていたため、被害のほとんどは斜面崩壊とその土石流による災害でした。
ボリビア深発地震(1994年)
1994年6月8日にボリビア南部で発生した深発地震です。地震の規模はMw8.2で、死者は10人でした。震源の深さは631kmでした。
アルジェリアの地震(1994年)
1994年8月18日にアルジェリアのマスカラで発生した地震です。地震の規模はM5.9で、死者が159人、負傷者が289人でした。
ミンドロ島地震(1994年)
1994年11月15日にフィリピンのミンドロ島とルソン島を挟む海峡付近で発生した地震です。地震の規模はM7.1で、津波が発生しました。地震と津波による死者が78人、負傷者が225人でした。
トンガの地震(1995年)
1995年4月7日にトンガで発生した地震です。地震の規模はM8.0でした。津波が発生しましたが規模は小さく、震源に近い米国領サモアのパゴパゴで観測された津波の高さは約0.1mでした。
東ティモールの地震(1995年)
1995年5月14日に東ティモールで発生した地震です。地震の規模はMw6.9で、津波も発生しました。地震と津波による死者は11人でした。
サハリン地震(1995年)
1995年5月28日にロシアのサハリン北部のネフチェゴルスクで発生した地震です。地震の規模はM7.6で、死者が1,989人、負傷者が750人でした。ネフチェゴルスクの町は壊滅状態で、市民の3/4が亡くなる大きな被害でした。
チリ北部地震(1995年)
1995年7月30日にチリのアントファガスタ州で発生した地震です。地震の規模はMw8.0で、死者が3人、負傷者が59人でした。この津波により津波が発生し、チリのランコナーダで津波の高さ2~2.5m、日本の庶野漁港(北海道えりも町)で66cm、大船戸で43cm、大洗港で55cmでした。
ディナール地震(1995年)
1995年10月1日にトルコ西部のディナールで発生した地震です。地震の規模はM6.2で、死者が101人、負傷者が348人でした。
コリマ地震(1995年)
1995年10月9日にメキシコのコリマ州で発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者が58人、負傷者が100人でした。マンサニージョ市では9階建てのホテルが倒壊しました。津波も発生しました。
麗江地震(1996年)
1996年2月3日に中国雲南省の麗江で発生した地震です。震源の深さは約10kmで、地震の規模はM7.4でした。死者が309人、負傷者が17,057人(内重傷者が4,070人)、家を失った人が18万人の被害がありました。
イリアンジャヤ地震(1996年)
1996年2月17日にインドネシア東部のイリアンジャヤ州のビアク島北方で発生した地震です。地震の規模はM8.1で、死者が166人、負傷者が423人でした。津波が発生し、ビアク島では8m近い津波が観測されました。日本でも四国太平洋岸を中心に津波が来襲し、係留船舶の流出・転覆や養殖施設の被害が各地で発生しました。
アリューシャン地震(1996年)
1996年6月10日にアリューシャン列島で発生した地震です。 地震の規模はM7.6でした。弱い津波が発生し、アンドリアノフ諸島のアダックで18cmでした。日本でも北海道から近畿地方にかけての太平洋沿岸と小笠原諸島で弱い津波を観測しました。
イラン北部の地震(1997年)
1997年2月4日にイランとトルクメニスタンの国境付近で発生した地震です。地震の規模はM6.6で、死者が100人、負傷者が2,000人でした。
パキスタンの地震(1997年)
1997年2月27日にパキスタンのハルナイ-シビ地域で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が57人、負傷者が200人でした。
イラン北西部の地震(1997年)
1997年2月28日にイラン北西部のアルダビールで発生した地震です。地震の規模はM6.1で、死者が1,100人、負傷者が2,600人でした。
ガエン地震(1997年)
1997年5月10日にイラン東部のガエンで発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が1,572人、負傷者が2,300人でした。震源域には全長110kmの右横ずれ断層(ずれ変位量1.0〜2.1m)が地表に現れました。
カリアコ地震(1997年)
1997年7月9日にベネズエラのカリアコで発生した地震です。地震の規模はM6.8で震源の深さは10kmでした。死者が81人、負傷者が522人の被害がありました。
張北-尚義地震(1998年)
1998年1月10日に中国河北省張家口市北西部で発生した地震です。地震の規模はM6.2で、死者が50人、 重傷者が11,439人、倒壊家屋が13.6万棟でした。
アフガニスタン北東部の地震(1998年)
1998年2月4日にアフガニスタン北東部のRostaq地方で発生した地震です。地震の規模はM6.1で、死者が2,323人、負傷者が818人でした。
南極海の地震(1998年)
1998年3月25日に南極海のバレニー諸島北西沖で発生した地震です。南極プレート内の地震で、震源の深さは10km、地震の規模はM8.0でした。昭和基地では揺れを感じませんでしたが、震源地から670km離れたフランスのデュモン・デュ ルビル基地では震度3程度の揺れがありました。
ボリビア中部の地震(1998年)
1998年5月22日にボリビア中部のアイキレからトトラにかけて被害をもたらした地震です。地震の規模はM6.6で、死者が105人以上、負傷者が150人以上でした。
アフガニスタン北部の地震(1998年)
1998年5月30日にアフガニスタンとパキスタンの国境付近で発生した地震です。地震の規模はM6.9で、死者が4,000人、負傷者が数千人でした。
トルコの地震(1998年)
1998年6月27日にトルコ南部のアダナ県ジェイハンで発生した地震です。地震の規模はM6.2で、死者が145人、負傷者が1,500人でした。
パプアニューギニア地震 (1998年)
1998年7月17日にパプアニューギニアの西セピック州沖で発生した地震です。地震の規模はM7.1で津波が発生しました。津波による被害が大きく、沿岸部では津波の高さが10mを越え、死者が2,183人以上、負傷者が数千人、行方不明者が500人でした。被災地域の人口は約6,600人だったので、1/3以上が亡くなるという大惨事でした。
モルッカ海南部の地震(1998年)
1998年11月29日にインドネシアのモルッカ海南部のスラ諸島付近で発生した地震です。 地震の規模はM7.7で、死者が41人以上、負傷者が161人でした。
キンディオ地震(1999年)
1999年1月25日にコロンビアのキンディオ県で発生した直下型地震です。地震の規模はM6.2で、死者が1,900人、負傷者が4,750人でした。コロンビア西部を南北に走るロメラル断層系中央部のカウカ-アルマゲール断層によるものです。
コジャエリ地震(イズミット地震)(1999年)
1999年8月17日にトルコ北西部のコジャエリ県で発生した地震です。地震の規模はM7.8で、死者が17,118人、負傷者が5万人でした。建物の崩壊により多くの人が亡くなりました。
アテネ地震(1999年)
1999年9月7日にギリシャで発生した地震です。地震の規模はM5.8で、死者が143人、負傷者が1,600人でした。
集集地震(921大地震)(1999年)
1999年9月21日に台湾南投県集集で発生した地震です。地震の規模はM7.7で、死者が2,413人、負傷者が8,700人、全壊・半壊家屋が8万軒でした。また、学校や道路などに大規模な断層が出現しました。
ボル・デュズジェ地震(1999年)
1999年11月12日にトルコ北西部のボルを震源とする地震です。地震の規模はM7.5で、死者が894人、負傷者が4,948人でした。
バヌアツの地震(1999年)
1999年11月26日にバヌアツで発生した地震です。地震の規模はM7.3で津波が発生しました。地震と津波による死者・行方不明者が10人以上、負傷者が100人以上の被害がありました。ペンテコスト島南西沿岸の被害が大きく、死者・行方不明者は全てペンテコスト島でした。
スラウェシ島の地震(2000年)
2000年11月26日にインドネシアのスラウェシ島で発生した地震です。地震の規模はM7.5で津波が発生し、死者が45人、負傷者が270人でした。
スマトラ島沖地震(2000年)
2000年6月4日にインドネシアのスマトラ島沖で発生した地震です。地震の規模はM8.0で、死者が103人、負傷者が2585人でした。
ニューアイルランド地震(2000年)
2000年11月16日にパプアニューギニアのニューアイルランドで発生した地震です。16日4時54分に本震(M8.2)が、16日7時42分に余震(M7.8)が、17日21時1分に余震(M8.0)がありました。また、津波も発生しました。死者は2人でした。なお、本震は北ビスマルクプレートと南ビスマルクプレートの間のトランスフォーム境界で発生したプレート境界型巨大地震で、これがソロモン海プレートと南ビスマルクプレート間の沈み込み境界のプレート境界大地震を誘発しました。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
土木学会ホームページ
AFRC NEWS No.51 / 2005.12
国立研究開発法人建築研究所ホームページ
関西大学学術リポジトリ
土木学会ホームページ
基礎地盤コンサルタンツ株式会社ホームページ
津波研究報告12(1995)35-44.
津波研究報告12(1995)19-33.
内閣府防災情報のページ
愛知工業大学研究報告,Vol.34-B,Mar. 1999 99−104.
京都大学防災研究所ホームページ
気象庁ホームページ
土木学会ホームページ
気象庁ホームページ
国立極地研究所ホームページ
海岸工学論文集, 第46巻(1999)391-395.
公益社団法人日本地球惑星科学連合ホームページ
日本地震学会広報紙「なゐふる」第18号
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
公益社団法人日本地球惑星科学連合ホームページ
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