はじめに
日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。
下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。
この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。
1931年から1940年に発生した地震
オアハカ地震(1931年)
1931年1月15日にメキシコ南部のオアハカで発生した内陸部直下地震です。地震の規模はMs7.6で、死者は68人でした。オアハカ州全域に多数の家屋倒壊や地すべりなどの大きな被害を与えました。
ホークス・ベイ地震(1931年)
1931年2月2日にニュージーランド北島中部のホークス・ベイで発生した地震です。地震の規模はM7.8で、死者が258人、負傷者が2,500人以上でした。地震の揺れに伴う建物被害が著しく、全体の3分の2の建物が被災しました。ニュージーランド史上で最も多くの犠牲者を出した地震です。
ニカラグアの地震(1931年)
1931年3月31日にニカラグアの首都マナグアで発生した地震です。地震の規模はM6で、死者は1,000人でした。この時にできた断層が動き、1972年の大地震になりました。
富蘊地震(1931年)
1931年8月11日に中国の新疆ウイグル自治区の富蘊で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者は1万人でした。この地震により長さが180km、最大変位量が10〜15mの地震断層が出現しました。
ハリスコ地震(1932年)
1932年6月3日にメキシコのハリスコ州グアダラハラで発生した地震です。地震の規模はMs8.2で、死者は44人でした。6月18日にもこの震源域の南東側でMs7.8の地震が発生しました。さらに、1995年にも大地震が発生しました。
昌馬地震(1932年)
1932年12月25日に中国の甘粛省の昌馬堡で発生した地震です。地震の規模はM7.6で、死者は200人とも7万人とも言われています。
畳渓地震(1933年)
1933年8月25日に中国の四川省畳溪鎮で発生した地震です。地震の規模はM7.4で、死者は9,365人(地震湖決壊による洪水死の2,500人を含む)でした。土砂崩れで岷江がせき止められて畳渓湖(畳渓海子)ができました。
ネパール-ビハール地震(1934年)
1934年1月15日にインドのビハール州とネパールの国境付近で発生した地震です。地震の規模はM8.4で、死者が約10,600人、66,440棟が倒壊したと言われています。カトマンズに大きな被害を与えました。
新竹・台中地震(1935年)
1935年4月21日に台湾中部で発生した地震です。地震の規模はM7.1で、死者が3,279人、重軽傷者が11,976人、住宅の全壊が17,927棟、半壊が11,446棟でした。被害は新竹州と台中州の両州に及びました。
7月17日にM6.2の余震があり、死者が44人でした。
クエッタ地震(1935年)
1935年5月30日にパキスタンのクエッタで発生した地震です。地震の規模はM7.5で、死者は3万〜6万人と推定されています。
インドネシアの地震(1938年)
1938年2月2日にインドネシアのバンダ海で発生した地震です。地震の規模はM8.5でした。
アリューシャン巨大地震(1938年)
1938年11月10日にアラスカ州シュマーギン諸島で発生した地震です。地震の規模はMw8.2でした。
チヤン地震(1939年)
1939年1月25日 チリ中部のチヤンで発生した地震です。地震の規模はMw7.8(Ms8.3)で、死者は28,000人でした。多くの国による義援活動に対し、チリの作曲家から返礼として「諸国民に感謝を捧ぐ」と題する曲の楽譜が贈呈されました。
ソロモン諸島の地震(1939年)
1939年4月30日にソロモン諸島で発生した地震です。地震の規模はM8.0で、死者は12人でした。
エルジンジャン地震(1939年)
1939年12月26日にトルコのエルジンジャンで発生した地震です。地震の規模はM8.0で、死者が33,000人、負傷者が10万人、建物の倒壊が約116,000棟でした。この地震により北アナトリア断層の存在がわかりました。
ペルー沖の地震(1940年)
1940年5月24日にペルー沖で発生した地震です。地震の規模はMw8.2で、死者は250人でした。
ルーマニアの地震(1940年)
1940年11月10日にルーマニアで発生した地震です。地震の規模はMw7.7で、死者はルーマニア全土で350人以上でした。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
COREホームページ
活断層研究センターニュース
国立社会保障・人口問題研究所ホームページ
サイエンスポータル
佛教大学ホームページ
国土地理院ホームページ
アジア歴史資料センターホームページ
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