名称が定められた火山現象(2) - 昭和58年(1983年)三宅島噴火 -

名称が定められた火山現象(2) - 昭和58年(1983年)三宅島噴火 - 火山噴火
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はじめに

顕著な災害を起こした自然現象(火山、地震、気象)に対して気象庁は名称を定めています。例えば、火山現象では「平成3年(1991年)雲仙岳噴火」、地震現象では「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」、気象現象では「令和2年7月豪雨」があります。

名称を定める目的としては、災害発生後の応急・復旧活動の円滑化や、その災害における経験や貴重な教訓を後世に伝承することを挙げられます。

火山現象の場合、相当の人的被害などの顕著な被害が発生した場合や、長期間にわたる避難生活等の影響があった場合に名称が定められます。

この記事では、「1983年三宅島噴火」についてまとめます。

概要

三宅島では1469年から21年〜69年の周期で噴火が発生しており、1983年の噴火は1962年の噴火以来21年ぶりのことでした。10月3日15時15分頃に噴火し、約15時間後に終息しました。人的被害はなかったものの、島の南西部から南東部一帯にかけて山腹からの溶岩流により住宅の埋没・消失や、空港の閉鎖、道路の不通、農林水産物の被害等がありました。

三宅島
三宅島

火山活動の詳細

発生時期

1983年10月3日〜10月4日

発生場所

三宅島(東京都三宅村)

火山活動と災害対応の推移

発生年月日時刻内容
1983年10月3日 13:58三宅島測候所の地震計に最初の火山性地震が記録
1983年10月3日 14:48三宅島測候所で初めての有感地震(震度1)
1983年10月3日 15:23地震計に火山性微動が現われる。雄山南西部山腹で噴火開始
1983年10月3日 15:25阿古の無線中継所で噴火(火柱及び黒煙)を確認
1983年10月3日 15:30三宅空港を閉鎖
1983年10月3日 15:40同報無線により「噴火発生」を放送。三宅村災害対策本部を設置
三池方面に降灰
1983年10月3日 16:17村営バスで阿古地区の住民が避難(〜17:00)
1983年10月3日 16:45水蒸気爆発及び火山礫落下
1983年10月3日 17:20溶岩流が阿古の都道に達する
1983年10月3日 18時頃溶岩流が粟辺の海岸に達する
1983年10月3日 22:33M6.2の地震が発生
1983年10月3日 23:23マグマ水蒸気爆発が発生
1983年10月4日 3時頃東海汽船の上から割れ目噴火が確認される
1983年10月4日 6時頃山腹からの溶岩噴出がほぼ終息。噴出溶岩量は約700万m3

被害状況

人的被害:0人
家屋の全壊:340軒(811人)
溶岩流による家屋への出入り不可:182世帯(477人)
非住家:82棟
畑埋没:362.5ha
文教施設:6ヶ所
道路:29ヶ所
水道:1,279ヶ所
崖崩れ:3ヶ所
海岸被害:1ヶ所
罹災者:1,288人
被害総額:255億円

まとめ

1983年三宅島噴火についてまとめます。

  • 噴火は1983年10月3日から約15時間続きました
  • 人的被害はありませんでした
  • 家屋、農地、水道などの被害があり、被害総額は255億円でした

この記事は下記を参考にして作成しました。

気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
産総研地質調査総合センター
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
消防防災博物館

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