過去に発生した地震(2) 鎌倉時代

過去に発生した地震(2) 『鎌倉時代』 自然災害に備えるブログ Ready Japan 地震
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この記事は下記の方にお勧めです。

・過去に発生した地震について知りたい方
・歴史に興味がある方

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はじめに

太古から地震が発生していたことを疑う人はいないのではないでしょうか。地層を調べることにより、断層や津波の痕跡から、おおよその地震発生の年代を知ることがあります。

しかし、いつ、どこで発生したのかをある程度の確度で知ることができるのは文字情報、つまり、古文書が現れてからのことです。日本では、西暦416年(允恭5年)の遠飛鳥宮とおつあすかのみや付近で発生した地震が文字情報のある最古の地震と言われています。

この記事では、鎌倉時代に日本で発生した主な地震についてまとめます。鎌倉時代末期は地震が多数発生しており、幕府の存亡に関わる事態であったことが伺えます。

鎌倉時代

仁治地震(1241年)

西暦1241年5月22日(仁治2年4月3日)に鎌倉に被害をもたらした地震と津波です。吾妻鏡に「三日辛酉。霽。戌尅大地震。南風。由比浦大鳥居内拝殿。被引潮流失。著岸船十余艘破損。」との記述があり、地震が発生し、由比浦大鳥居内の拝殿が流される被害があったことがわかります。また、この地震の前後に14回の地震があったことも記述されています。しかし、吾妻鏡には鎌倉の情報しかなく、周辺地域にどれだけの被害が発生したのかは不明です。また、拝殿の流出は津波ではなく高潮のためとの説もあります。地震の規模はM7程度と推定されています。

吾妻鏡
鎌倉時代に成立した日本の歴史書です。鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝から第6代将軍・宗尊親王まで6代の将軍記という構成になっており、1180年(治承4年)の源頼政の挙兵から1266年(文永3年)に惟康親王が将軍になるまでの幕府の歴史を日記体に記述しています。鎌倉時代末期の1300年頃に成立し、編纂者は幕府中枢の複数の者と見られています。

正嘉地震(1257年)

西暦1257年10月9日(正嘉元年8月23日)に鎌倉に被害をもたらした地震で吾妻鏡に記述があります。鎌倉の全社寺に被害があり、山崩れ、家屋の転倒し、築地悉く破損し、地割れが生じ,水が湧き出た(液状化)ことや、余震が多数あったことが記述されています。震源は相模湾と推定されていますが、同日に岩手県の久慈で津波が発生したことから、房総沖が震源との説もあります。地震の規模は鎌倉周辺が震源の場合にはM7.0〜M7.5、房総沖が震源だった場合にはM8と推定されています。なお、吾妻鏡には死者に関する記述はありません。

永仁関東地震(永仁鎌倉地震)(1293年)

西暦1293年5月27日(正応6年4月13日)に鎌倉に被害をもたらした地震です。建長寺や寿福寺をはじめとする寺社および人屋が多数倒壊し、建長寺は炎上しました。山崩れも多発し、大慈寺が顛倒、埋没したとも追われています。余震活動はきわめて活発で、非常に強い揺れも続発しました。死者数は数千とも2万人以上とも言われています。M8クラスの相模トラフ巨大地震との説もあります。

大阪・京都の地震(1299年)

西暦1299年6月1日(正安元年4月25日)に大阪や京都に被害をもたらした地震で、「本朝年代記」に記述があります。大阪の天王寺金堂や、京都の南禅寺金堂が倒れたとされています。

京都の地震(1317年)

西暦1317年2月24日(正和6年1月5日)に京都に被害をもたらした地震です。白河辺の人家が悉く潰れ、死者5人、諸寺に被害があり、清水寺で出火したとの記録があります。余震は5月になっても止まなかったとのことです。

正中地震(1325年)

西暦1325年12月5日(正中2年10月21日)に滋賀・福井県境で起きた内陸直下型地震です。琵琶湖北部の竹生島の一部の崩壊や、福井県の気比神宮の倒壊といった被害が発生しています。活断層調査によると柳ヶ瀬断層で発生した可能性があります。地震の規模はM6.5程度と推定されています。

紀伊の地震(1331年)

西暦1331年8月15日(元徳3年7月3日)に紀伊国(和歌山県)南部で起きた地震です。太平記に「七月三日、大地震アリテ、紀伊國千里之遠潟、俄ニ陸地ニ成事二十餘町也、又同七日酉刻ニ、地震アリテ、富士之禪定崩ルゝ事数百町也ト」とあり、紀伊国千里浜(田辺市の西)の遠干潟20余町が隆起して陸地となったとされていますが、地震隆起や地震の存在そのものに否定的な説もあります。

太平記
南北朝時代の軍記物語で40巻に及びます。応安年間(1368~1375)の成立とされており、鎌倉末期から南北朝中期までの約50年間の争乱が描かれています。

まとめ

この記事をまとめます。

  • 平安時代までは京都を中心とした記録がほとんどでしたが、幕府が鎌倉にできたことから鎌倉周辺の地震情報が残っています
  • 仁治地震、正嘉地震、永仁関東地震が鎌倉に大きな被害を与えました
  • 鎌倉時代末期には京都周辺で地震が多く発生しました

この記事は下記を参考にして作成しました。

防災システム研究所公式ホームページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
東京大学地震研究所 応用地震学研究室ホームページ
日本地質学会ホームページ
鎌倉市ホームページ
地震本部ホームページ

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