この記事は下記の方にお勧めです。
・過去に発生した地震について知りたい方
・歴史に興味がある方
- はじめに
- 平成21年〜平成30年
- 駿河湾の地震(2009年)
- 三陸沖の地震(2011年)
- 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(2011年)
- 長野県北部の地震(2011年)
- 静岡県東部の地震(2011年)
- 宮城県沖の地震(2011年)
- 福島県浜通りの地震(2011年)
- 長野県中部の地震(2011年)
- 千葉県東方沖の地震(2012年)
- 三陸沖の地震(2012年)
- 栃木県北部の地震(2013年)
- 淡路島付近の地震(2013年)
- 伊予灘の地震(2014年)
- 長野県北部の地震(2014年)
- 小笠原諸島西方沖地震(2015年)
- 熊本地震(2016年)
- 鳥取県中部の地震(2016年)
- 島根県西部の地震(2018年)
- 大阪府北部の地震(2018年)
- 北海道胆振東部地震(2018年)
- まとめ
はじめに
太古から地震が発生していたことを疑う人はいないのではないでしょうか。地層を調べることにより、断層や津波の痕跡から、おおよその地震発生の年代を知ることがあります。
しかし、いつ、どこで発生したのかをある程度の確度で知ることができるのは文字情報、つまり、古文書が現れてからのことです。日本では、西暦416年(允恭5年)の遠飛鳥宮付近で発生した地震が文字情報のある最古の地震と言われています。
この記事では、平成時代後期(2009年〜2018年)に日本で発生した主な地震についてまとめます。
平成21年〜平成30年
駿河湾の地震(2009年)
西暦2009年(平成21年)8月11日に駿河湾で発生したフィリピン海プレート内部の逆断層型スラブ内地震です。死者が1人、負傷者が319人、住家の半壊が6軒の被害がありました。また、東名高速道路牧之原SA近くの盛土のり面の崩壊がありました。地震の規模はM6.5で、静岡県伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市で震度6弱でした。また、焼津で最大0.3m、御前崎で最大0.4mの津波が発生しました。さらに、この地震で初めて東海地震観測情報が発表されましたが、後に想定される東海地震に結びつくものではないと判断されました。
三陸沖の地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)3月9日に三陸沖で発生した太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した逆断層型の地震です。次項の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の先発地震と言われています。先発地震がM7クラスだった場合、大きな後発地震が発生するのは100回に1回程度と言われていますが、空振りを恐れずに後発地震への備えをすることが重要であることがわかります。地震の規模はM7.3で、宮城県で最大震度5弱でした。また、東北地方や北海道地方・関東地方の一部の太平洋沿岸および伊豆諸島で津波が発生し、最大波は大船渡で0.6m、釜石で0.4m、石巻市鮎川で0.5mでした。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(2011年)
西暦2011年(平成23年)3月11日に三陸沖で発生した三陸沖中部から茨城県沖までの太平洋プレートと陸のプレートの境界を震源域とする逆断層型超巨大地震で、日本国内で観測された最大の地震です。余震や誘発地震はM7.0以上が6回、M6.0以上が97回ありました。令和6年3月1日現在の被害は、死者が19775人、行方不明者が2550人、負傷者が6242人、住家の全壊が122050軒、半壊が283988軒、一部損壊が750064軒、火災が330件でした。死者の92.4%が溺死で、原発事故を含む被害の多くは巨大津波によるものでした。揺れによる被害は津波による被害と比較して大きくありませんでした。災害救助法の適用は241市区町村(10都県)に及びました。
本震の地震の規模はM9.0で、宮城県栗原市で震度7、宮城県涌谷町、登米市、美里町、大崎市、名取市、蔵王町、川崎町、山元町、仙台市、石巻市、塩竈市、東松島市、大衡村、福島県白河市、須賀川市、国見町、鏡石町、天栄村、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、新地町、茨城県日立市、高萩市、笠間市、常陸大宮市、那珂市、筑西市、鉾田市、小美玉市で震度6強でした。
主な検潮所で観測した津波の観測値(最大波)は、相馬で9.3m以上、石巻市鮎川で8.6m以上、宮古で8.5m以上、大船渡で8.0m以上、八戸で4.2m以上、釜石で4.2m以上、大洗で4.0m、えりも町庶野で3.5mでした。なお、現地調査によると最大40mの津波が発生したと言われています。
長野県北部の地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)3月12日に長野県と新潟県の県境付近で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の誘発地震で、逆断層型地殻内地震(深さ8km)です。死者が3人(関連死)、負傷者が57人、住家の全壊が73軒、半壊が427軒の被害がありました。地震の規模はM6.7で、長野県栄村で震度6強、新潟県津南村と十日町市で震度6弱でした。
静岡県東部の地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)3月12日に静岡県東部で発生した地震です。負傷者が50人、一部損壊が521軒の被害がありました。地震の規模はM6.4で、静岡県富士宮市で震度6強、山梨県忍野村、山中湖村、富士河口湖町で震度5強でした。
宮城県沖の地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)4月7日に宮城県沖で発生した太平洋プレート内の逆断層型地震です。死者が4人、負傷者が296人、住家の全壊が36軒以上、半壊が27軒以上の被害がありました。地震の規模はM7.2で、宮城県栗原市と仙台市宮城野区で震度6強、岩手県の6市町と宮城県の15市町村で震度6弱でした。
福島県浜通りの地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)4月11日に福島県浜通りで発生した正断層型で地殻内の浅い地震です。この地震に伴い、塩ノ平断層に沿って井戸沢断層(地表地震断層(正断層))が長さ11 kmにわたり連続的に出現しました。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の周辺誘発地震です。死者が4人と負傷者が10人の被害がありました。地震の規模はM7.0で、福島県いわき市、茨城県鉾田市などで震度6弱でした。
長野県中部の地震(2011年)
西暦2011年(平成23年)6月30日に長野県中部で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の遠方誘発地震で横ずれ断層型地殻内地震(深さ5km)です。牛伏寺断層の近傍で発生しました。死者が1人、負傷者が17人、住家の半壊が24軒の被害がありました。地震の規模はM5.4で、最大震度は5強(長野県松本市)でした。
千葉県東方沖の地震(2012年)
西暦2012年(平成24年)3月14日に千葉県東方沖で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の周辺誘発地震で正断層型地殻内地震(深さ15km)です。死者が1人、負傷者が1人の被害がありました。地震の規模はM6.1で、最大震度は5強(茨城県神栖市と千葉県銚子市)でした。
三陸沖の地震(2012年)
西暦2012年(平成24年)12月7日に三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の周辺誘発地震で日本海溝付近の正断層型地震(深さ49km)です。死者が1人、負傷者が15人の被害がありました。地震の規模はM7.3で、最大震度は5弱(青森県、岩手県、宮城県、茨城県、栃木県)でした。また、東北地方の太平洋沿岸で津波を観測し、石巻市鮎川で98cmでした。
栃木県北部の地震(2013年)
西暦2013年(平成25年)2月25日に栃木県北部で発生した横ずれ断層型地殻内地震(深さ5km)です。地震の規模はM6.3で、最大震度は5強(日光市)でした。
淡路島付近の地震(2013年)
西暦2013年(平成25年)4月13日に淡路島付近で発生した逆断層型地殻内地震(深さ15km)です。負傷者が35人、住家の全壊が8軒、半壊が101軒の被害がありました。地震の規模はM6.3で、淡路市で震度6弱、南あわじ市で震度5強でした。また、この地震で西日本に対して初めて緊急地震速報が配信されました。
伊予灘の地震(2014年)
西暦2014年(平成26年)3月14日に伊予灘で発生したフィリピン海プレート内部の地震(深さ78km)です。負傷者が21人、住家の一部破損が26軒の被害がありました。地震の規模はM6.2で、西予市明浜町と三瓶町で最大震度5強でした。
長野県北部の地震(2014年)
西暦2014年(平成26年)11月22日に長野県北部で発生した逆断層型地殻内地震(深さ5km)です。負傷者が46人、住家の全壊が77軒、半壊が136軒の被害がありました。地震の規模はM6.7で、最大震度6弱(長野県長野市、小谷村、小川村)でした。糸魚川-静岡構造線活断層系の一部である神城断層の一部とその北方延長が活動したと考えられています。
小笠原諸島西方沖地震(2015年)
西暦2015年(平成27年)5月30日に小笠原諸島西方沖で発生した震源の深さが682kmと非常に深い太平洋プレート内部の地震です。地震の規模がM8.1の大地震で、日本付近で発生した深発地震としては観測史上最大の規模でした。小笠原諸島と神奈川県の一部で最大震度5強でした。東京都で地震関連負傷者が8人、埼玉県で負傷者が3人、神奈川県で負傷者が2人等の被害がありました。
熊本地震(2016年)
西暦2016年(平成28年)4月14日と16日に熊本県熊本地方で発生した横ずれ断層型地震です。4月14日が前震で16日が本震でした。4月14日の前震は地震の規模がM6.5で深さ10kmで発生し、16日の本震は地震の規模がM7.3で深さ10kmで発生し、いずれも地殻内の浅い地震でした。布田川および日奈久断層帯で発生した地震で、地震後の現地調査で現地調査の結果によると、布田川断層帯の布田川区間沿いなどで長さ約28km、日奈久断層帯の高野-白旗区間沿いで長さ約6kmにわたって地表地震断層が見つかりました。
前震の最大震度は熊本県益城町宮園での震度7でした。また、熊本市東区佐土原、熊本市西区春日、熊本市南区城南町、熊本市南区富合町、玉名市天水町、宇城市松橋町、宇城市不知火町、宇城市小川町、宇城市豊野町、西原村小森、嘉島町上島で震度6弱でした。
本震の最大震度は熊本県益城町宮園と西原村小森での震度7でした。また、熊本県南阿蘇村河陽、菊池市旭志、宇土市浦田町、大津町大津、嘉島町上島、宇城市松橋町、宇城市小川町、宇城市豊野町、合志市竹迫、熊本中央区大江、熊本東区佐土原、熊本西区春日で震度6強、熊本県阿蘇市一の宮町、阿蘇市内牧、南阿蘇村中松、南阿蘇村河陰、八代市鏡町、玉名市横島町、玉名市天水町、菊池市隈府、菊池市泗水町、大津町引水、菊陽町久保田、御船町御船、美里町永富、美里町馬場、宇城市不知火町、山都町下馬尾、氷川町島地、合志市御代志、和水町江田、熊本南区城南町、熊本南区富合町、熊本北区植木町、上天草市大矢野町、天草市、五和町、大分県別府市鶴見、由布市湯布院町川上で震度6弱でした。
人的被害は死者が211人、 重傷者が1142人、軽傷者が1604人で、建物被害は家屋の全壊が約8千軒、半壊が約3万4千棟、一部損壊が約15万3千軒でした。さらに、各地で190件に及ぶ土砂災害やライフラインの被害があり、南阿蘇村では水道の復旧に約3ヶ月を要しました。避難者数は熊本県内で最大18 万人、大分県内で最大1万人でした。公共施設が被災等により不足したことにより一部のホテルや旅館等でも避難者の受入が行われました。
鳥取県中部の地震(2016年)
西暦2016年(平成28年)10月21日に鳥取県中部で発生した左横ずれ断層型地殻内地震(深さ11km)です。鳥取県内で重傷者が8人、軽傷者が17人、住家の全壊が18軒、半壊が312軒、一部損壊が15078軒の被害がありましたが、火災の発生はありませんでした。地震の規模はM6.6で、倉吉市、湯梨浜町、北栄町で震度6弱、三朝町、鳥取市で震度5強でした。
島根県西部の地震(2018年)
西暦2018年(平成30年)4月9日に島根県西部で発生した左横ずれ断層型地殻内地震(深さ12km)です。負傷者9人(うち重傷2人)、住家の全壊が17軒の被害がありました。地震の規模はM6.1で、最大震度5強(島根県大田市)でした。
大阪府北部の地震(2018年)
西暦2018年(平成30年)6月18日に大阪府北部で発生した地震です。地下で2つの異なる動き(逆断層、横ずれ)をする断層が動くことにより発生しました。都市直下の浅い地震だったため、地震の規模はM6.1と大きくはなかったものの、大きな被害になりました。特にブロック塀の崩落により2人の死者が出たことから、全国的にブロック塀の点検が行われました。また、住宅の屋根瓦の損傷が多く発生し、ブルーシートで応急処置をした家屋が多く見られました。死者が6人、負傷者が462人、住家の全壊が21軒、半壊が483軒の被害がありました。火災も発生しましたが、火災による死者はありませんでした。大阪市北区、高槻市、茨木市、箕面市、枚方市で最大震度6弱でした
北海道胆振東部地震(2018年)
西暦2018年(平成30年)9月6日に北海道胆振地方中東部で発生した逆断層型の深い地殻内地震(深さ37km)です。死者が43人、負傷者が782人、住家の全壊が469軒、半壊が1660軒の被害がありました。この地震の影響で複数の発電所が停止し、道内全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生しました。地震の規模はM6.7で、北海道厚真町で最大震度7、安平町とむかわ町で震度6強でした。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
東京大学地震研究所 応用地震学研究室ホームページ
地震本部ホームページ
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
総務省消防庁ホームページ
静岡県ホームページ
内閣府防災情報のページ
とっとり災害記録伝承ポータル
内閣府防災情報のページ
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