この記事は下記の方にお勧めです。
・過去に発生した地震について知りたい方
・歴史に興味がある方
はじめに
太古から地震が発生していたことを疑う人はいないのではないでしょうか。地層を調べることにより、断層や津波の痕跡から、おおよその地震発生の年代を知ることがあります。
しかし、いつ、どこで発生したのかをある程度の確度で知ることができるのは文字情報、つまり、古文書が現れてからのことです。日本では、西暦416年(允恭5年)の遠飛鳥宮付近で発生した地震が文字情報のある最古の地震と言われています。
この記事では、平成時代中期(1999年〜2008年)に日本で発生した主な地震についてまとめます。
平成11年〜平成21年
新島・神津島近海地震(2000年)
西暦2000年(平成12年)6月26日に始まった三宅島の火山活動に伴う群発地震です。活動の中心は神津島東方沖で、8月末までにM5以上の地震が41回、その内M6以上の地震が5回発生し、全体で死者が1人、負傷者が15人、住家の全壊が15軒でした。地震の規模は最大でM6.5でした。
鳥取県西部地震(2000年)
西暦2000年(平成12年)10月6日に鳥取県西部で発生した陸域の横ずれ断層型地殻内地震です。重傷者が31人、軽傷者が110人、家屋の全壊が394軒、半壊が2494軒で、斜面崩壊や落石などによる道路や鉄道の不通箇所が多く発生し、さらに、ライフラインの被害も15000件ありました。地震の規模はM7.3で、日野町と境港市で最大震度6強でした。
芸予地震(2001年)
西暦2001年(平成13年)3月24日に安芸灘で発生したフィリピン海プレート内部の正断層型の地震です。死者が2人、負傷者が288人、住家の全壊が70軒、半壊が774軒の被害があり、特に呉市の傾斜地で多くの被害がありました。地震の規模はM6.7で、熊野町、大野町、河内町、大崎町で最大震度6弱でした。
宮城県沖の地震(2003年)
西暦2003年(平成15年)5月26日に宮城県沖で発生した太平洋プレートの内部の逆断層型地震です。岩手県と宮城県を中心に全国に被害があり、負傷者が172人、住家の全壊が2軒、半壊が8軒、一部破損が1617軒、火災が4件、道路損壊が171ヶ所でした。深さ71kmを震源とし、地震の規模はM7.0で、宮城県石巻市、涌谷町、栗駒町、高清水町、金成町、桃生町、岩手県大船渡市、江刺市、衣川村、平泉町、室根村で震度6弱でした。
宮城県北部地震(2003年)
西暦2003年(平成15年)7月26日に宮城県北部に被害をもたらした連続地震です。午前0時13分にM5.5の前震(最大震度6弱:宮城県矢本町と鳴瀬町)があり、午前7時13分にはM6.2の本震(宮城県南郷町、矢本町、鳴瀬町)、午前10時52分にM5.1の余震、午後4時56分にM5.3の余震(最大震度6弱:宮城県河南町)がありました。松島の北北東の沿岸部で起きた逆断層型の浅発地震(深さ12km)で、地震の規模はM6クラスと大きなものではないものの震源が浅いために局所的に被害が大きくなりました。負傷者が677人、住家の全壊が1276軒、半壊が3809軒ありました。
十勝沖地震(2003年)
西暦2003年(平成15年)9月26日に十勝沖で発生した太平洋プレート上面の逆断層型プレート境界地震で、1952年とほぼ同じ場所で発生しました。釧路地方、十勝地方、日高地方にかけて被害があり、北海道を中心に負傷者が849人、住宅の全壊が116軒、半壊が368軒、一部破損が1580軒、床下浸水が9軒でした。また、北海道から東北地方の太平洋沿岸に最大4mを超える津波が襲来し、十勝川では津波が川を10km以上も遡る現象も発生しました。 この津波により十勝川河口で釣りをしていた男性2人が津波にさらわれ、1人が死亡し1人が行方不明になりました。さらに、長周期地震動により震源から約250km離れた苫小牧市の石油コンビナートでスロッシング(石油タンク内の石油が揺動する現象)により浮き屋根が沈没し、地震から2日後に静電気による火災が発生しました。地震の規模はM8.0で、北海道新冠町、静内町、浦河町、鹿追町、幕別町、豊頃町、忠類村、釧路町及び厚岸町で震度6弱でした。
紀伊半島南東沖(東海道沖)の地震(2004年)
西暦2004年(平成16年)9月5日に紀伊半島南東沖(東海道沖)で発生した地震です。19時08分にM7.1の前震が、23時57分にM7.4の本震が、23時58分にM6.5の最大余震が発生しました。前震での最大震度は5弱(奈良県下北山村と和歌山県新宮市)でした。また、本震での最大震度は5弱(三重県津市と松阪市、奈良県下北山村、和歌山県新宮市)でした。さらに、伊豆諸島から四国にかけての太平洋沿岸で津波を観測し、串本では0.9mでした。フィリピン海プレート内で発生した逆断層型のプレート内地震と考えられています。地震による被害は前震で負傷者が6人、本震で負傷者が30人でした。家屋の全壊や半壊はありませんでした。
新潟県中越地震(2004年)
西暦2004年(平成16年)10月23日に新潟県中越地方で発生し甚大な被害をもたらした地震です。17時56分にM6.8の本震があり、川口町で震度7、小千谷市、山古志村(現長岡市)、小国町(現長岡市)で震度6強、十日町市、堀之内町(現魚沼市)、中里村(現十日町市)、守門村(現魚沼市)、川西町(現十日町市)、越路町(現長岡市)、刈羽村、長岡市、栃尾市、三島町(現長岡市)、広神村(現魚沼市)、入広瀬村(現魚沼市)で震度6弱でした。
18時11分にはM6.0の余震があり、小千谷市で震度6強、越路町(現長岡市)と小国町(現長岡市)で震度6弱でした。18時34分にはM6.5の余震があり、川口町、十日町市、小国町(現長岡市)で震度6強、川西町(現十日町市)、小千谷市、六日町(現南魚沼市)、松代町(現十日町市、堀之内町(現魚沼市)、広神村(現魚沼市)、大和町(現南魚沼市)、安塚町(現上越市)、入広瀬村(現魚沼市)、中里村(現十日町市)で震度6弱でした。10月27日の10時40分にもM6.1の余震があり、広神村(現魚沼市)、守門村(現魚沼市)、入広瀬村(現魚沼市)で震度6弱でした。
最大震度7の本震に加え、M6クラスの余震が続いたことにより被害が拡大し、死者が46人、負傷者が4801人、住家の全壊が2827軒、半壊が12746棟軒、一部破損が101509軒発生しました。また、合計で64894人に避難指示・勧告が出され、最大で103178人が避難しました。さらに、土石流が4件、地すべりが131件、がけ崩れが90件発生し、電気、ガス、水、通信などのライフラインにも被害があり、上越新幹線の脱線もありました。
釧路沖の地震(2004年)
西暦2004年(平成16年)11月29日に釧路沖で発生した太平洋プレートと陸のプレートの境界の逆断層型地震です。釧路町、弟子屈町、別海町において最大震度5強で、負傷者が1人と住家の全壊の被害がありました。また、北海道太平洋沿岸東部に微弱な津波があり、根室市花咲で10cmでした。地震の規模はM7.1でした。さらに、12月6日と翌年の1月18日及び3月12日に余震があり、それぞれの地震の規模はM6.9、M6.4、M5.1でした。
留萌支庁南部の地震(2004年)
西暦2004年(平成16年)12月14日に留萌支庁南部で発生した地震です。負傷者が8人、建物の一部損壊が165軒ありました。地震の規模はM6.1で、苫前町で震度5強、羽幌町で震度5弱でした。津波による被害はありませんでした。
福岡県西方沖地震(2005年)
西暦2005年(平成17年)3月20日に福岡県西方沖で発生した横ずれ断層型地震です。死者が1人、負傷者が1204人、住家の全壊が144軒、半壊が353軒の被害がありました。地震の規模はM7.0で、福岡市東区と中央区、前原市、佐賀県みやき町で震度6弱でしたが、震源に近い玄界島ではより大きな揺れだった可能性があります。12月31日までに震度1以上の余震が405回(このうち最大震度4以上の余震が8回)発生し、最大余震は4月20日に発生したM5.8の地震で福岡市博多区、中央区、南区、早良区、春日市、新宮町、碓井町で震度5強でした。
千葉県北西部地震(2005年)
西暦2005年(平成17年)3月20日に千葉県北西部で発生した逆断層型で太平洋プレートの沈み込みに伴う地震です。負傷者が38人、住家の一部破損が12軒の被害がありました。また、首都圏でエレベーターへの閉じ込めが78件ありました。さらに、JR他の交通網が麻痺状態になり、特に東京ディズニーランドの最寄り駅の舞浜駅では100人以上が始発まで駅で一夜を明かすことになりました。地震の規模はM6.0で、東京都足立区で震度5強、埼玉県草加市、鳩ケ谷市、八潮市、三郷市、宮代町、千葉県市川市、船橋市、浦安市、木更津市、鋸南町、東京都の大田区、江戸川区、神奈川県横浜市、川崎市で震度5弱でした。
宮城県沖の地震(2005年)
西暦2005年(平成17年)8月16日に宮城県沖で発生した逆断層型で太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震です。負傷者が100人、家屋の全壊が1軒の被害がありました。地震の規模はM7.2で、最大震度は6弱(宮城県川崎町)でした。また、東北地方の太平洋沿岸で微弱な津波があり、石巻市で最大13cmでした。
能登半島地震(2007年)
西暦2007年(平成19年)3月25日に能登半島沖で発生した逆断層型地殻内地震です。死者が1人、負傷者が356人、住家の全壊が686軒、半壊が1740軒の被害がありました。また、北陸地方で微弱な津波があり、珠洲と金沢で0.2mでした。地震の規模はM6.9で、七尾市、輪島市、穴水町で最大震度6強でした。
新潟県中越沖地震(2007年)
西暦2007年(平成19年)7月16日に新潟県上中越沖で発生した逆断層型地殻内地震です。死者が15人、負傷者が2346人、住家の全壊が1331軒、半壊が5710軒、火災が1件の被害がありました。地震の規模はM6.8で、新潟県柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で最大震度6強でした。新潟を中心に秋田県から石川県の沿岸で津波が観測され、最大は柏崎で32cmでした。
岩手・宮城内陸地震(2008年)
西暦2008年(平成20年)6月14日に岩手県内陸南部で発生した逆断層型地殻内地震です。死者が17人、行方不明者が6人、負傷者が426人、住家の全壊が30軒、半壊が146軒の被害がありました。地震の規模はM7.2で、岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱でした。震源域直上にある一関西観測点の地表に設置された加速度計で、上下動3866Gal、三成分合成で4022Gal という、観測史上初めて4000Gal 以上の加速度が観測されました。
岩手県沿岸北部の地震(2008年)
西暦2008年(平成20年)7月24日に岩手県沿岸北部で発生した地震です。太平洋プレート内部で発生した正断層型スラブ内地震で、深さ108kmのやや深い地震でした。死者が1人、負傷者が211人、住家の全壊が1軒の被害がありました。地震の規模はM6.8で、岩手県野田村、青森県八戸市、五戸町、階上町で震度6弱でした。岩手県玉山観測点(盛岡市)において上下成分593Gal、水平成分1019Gal という大きな加速度が観測されましたが、短周期成分が卓越していたために加速度の大きさの割に建物の被害は大きくありませんでした。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
東京大学地震研究所 応用地震学研究室ホームページ
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