- はじめに
- 2001年から2010年に発生した地震
- エルサルバドルの地震(2001年)
- グジャラート地震(2001年)
- ペルー南部沖の地震(2001年)
- 崑崙山地震(2001年)
- アフガニスタン北部地震(2002年)
- イラン北西部の地震(2002年)
- パプアニューギニアの地震(2002年)
- デナリ地震(2002年)
- メキシコ中部の地震(2003年)
- 新疆ウイグル地震(2003年)
- ビンギョル地震(2003年)
- アルジェリア地震(2003年)
- アリューシャン列島地震(2003年)
- バム地震(2003年)
- パプア北西部の地震(2004年)
- モロッコ地震(2004年)
- アロール島地震(2004年)
- パプア州西部地震(2004年)
- マッコーリー島周辺の地震(2004年)
- スマトラ島沖大地震(2004年)
- イランの地震(2005年)
- スマトラ島沖地震(2005年)
- パキスタン北部地震(2005年)
- トンガの地震(2006年)
- ジャワ島中部地震(2006年)
- ジャワ島南方沖地震(2006年)
- 千島列島東方の地震(2006年)
- 千島列島東方の地震(2007年)
- ソロモン諸島沖地震(2007年)
- ペルー地震(2007年)
- スマトラ南部地震(2007年)
- 汶川地震(2008年)
- パキスタン西部の地震(2008年)
- ラクイラ地震(2009年)
- ニュージーランド西岸の地震(2009年)
- ジャワの地震(2009年)
- サモア諸島沖地震(2009年)
- パダン沖地震(2009年)
- ハイチ地震(2010年)
- チリ中部地震(2010年)
- スマトラ北部の地震(2010年)
- 青海地震(2010年)
- パプアの地震(2010年)
- ミンダナオの地震(2010年)
- スマトラ南部の地震(2010年)
- まとめ
はじめに
日本は地震が多く発生する国であることは言うまでもありません。2000年から2009年の期間に全世界でM6.0以上の地震が1036回発生しましたが、日本で212回(約20%)発生しており、その多さは際立っています。しかし、80%は海外で発生しており、巨大地震による大きな被害も毎年のようにニュースになっています。
下図は2014年から2023年の期間に発生した震央分布図です。プレートの境界で大きな地震が多く発生していることがわかります。

この記事では、20世紀以降に日本を除く世界で発生した巨大地震や被害者が多かった地震をまとめます。
2001年から2010年に発生した地震
エルサルバドルの地震(2001年)
2001年1月13日にエルサルバドル共和国沖約50kmの太平洋を震源とする地震です。地震の規模はM7.6で、死者が944人、負傷者が5,565人、倒壊した家屋が約10万8千棟でした。被害が最も集中した首都サン・サルバドル近郊のサンタテクラでは大規模な斜面崩壊が発生し、ここだけで死者500人以上という大惨事でした。
また、2月13日にM6.6の余震があり、死者が315人、負傷者が3,399人でした。
グジャラート地震(2001年)
2001年1月26日にインド西部のグジャラート州カッチ地方で発生した地震です。地震の規模はMw7.7で、死者が2万人、負傷者が16万6千人、家屋の全壊が約37万棟、一部損壊が約92万棟、地震による被害総額は2,500億ルピー(約6,250億円)でした。
ペルー南部沖の地震(2001年)
2001年6月23日にペルー南部に津波の被害をもたらした地震です。震源地はアレキパの西方約200kmの沖合で、震源の深さは33kmでした。地震の規模はM8.2で、死者が139人、負傷者が2,687人でした。また、日本にも数十cmの津波が到達しました。
崑崙山地震(2001年)
2001年11月14日に中国北西部青海省と新彊自治区との境界付近の昆崙山中部で発生した地震です。地震の規模はM8.1でしたが地震による被害は軽微でした。
アフガニスタン北部地震(2002年)
2002年3月3日にアフガニスタンとパキスタンの国境のヒンドゥークシュ山脈で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者は166人でした。
また、3月25日にバグラーンで地震が発生しました。地震の規模はM6.2で、死者は1,000人でした。被害が大きかったナハリーン地区では約90%の建物が崩壊しました。
さらに4月12日にも北部でM5.7の地震が発生し、死者が50人、負傷者が200人以上でした。
イラン北西部の地震(2002年)
2002年6月22日にイラン北西部のガズヴィーン州で発生した地震です。 地震の規模はM6.3で、死者が230人、負傷者が1,300人、家屋の全・半壊が2千棟でした。
パプアニューギニアの地震(2002年)
2002年9月8日にパプアニューギニア北岸付近で発生した地震です。 地震の規模はM7.8で、死者が6人でした。また、高さ3〜4mの津波が発生しボイケンを襲いました。
デナリ地震(2002年)
2002年11月3日にアメリカのアラスカ州で発生した地震です。地震の規模はMw7.9でした。

メキシコ中部の地震(2003年)
2003年1月21日にメキシコ中部のコリマ州で近海で発生した地震です。地震の規模は M7.6で、死者が29人、負傷者が300人以上でした。津波が発生し、ハリスコ、コリマ、ミチョアカン州で1〜2mでした。
新疆ウイグル地震(2003年)
2003年2月24日に中国の新疆ウイグル自治区で発生した地震です。地震の規模は M6.8で、死者が268人、重傷者が2,058人、軽傷者が1,942人余り、被災者数が約51万人、家屋損壊が約7万戸以上でした。授業中だった中学校では校舎の倒壊により多くの生徒が犠牲になりました。
ビンギョル地震(2003年)
2003年5月1日にトルコ南東部のビンギョルで発生した地震です。地震の規模はM6.4で、死者が176人、負傷者が520人でした。学校の寄宿舎などが崩壊し、多くの生徒が生き埋めになるなどの被害がありました。
アルジェリア地震(2003年)
2003年5月21日にアルジェリアで発生した地震です。地震の規模はM6.8で、震源に近いブーメルデス市とアルジェ市を中心に多数の建物が倒壊し、死者が2,278人、負傷者が11,450人でした。震源の浅い逆断層型の地震だったため震源近傍で強い揺れが発生し、建物被害が大きくなりました。また、5月27日にM5.5の余震がありました。
アリューシャン列島地震(2003年)
2003年11月17日にアリューシャン列島中部のラット島沖で発生した地震です。地震の規模はM7.7で逆断層型地震でした。地震に伴う津波が太平洋の広範囲で観測されました。
バム地震(2003年)
2003年12月26日にイラン南東部のケルマン州のバム市周辺で発生した地震です。地震の規模はM6.5で、震源の深さが約10kmの直下型地震でした。死者が約43,200人、罹災者が約75,600人、孤児が約2,000人の甚大な被害になりました。ほとんどの犠牲者は瓦礫の下敷きによる圧死でした。また、アルゲ・バム遺跡も崩壊しました。

パプア北西部の地震(2004年)
2004年2月6日、7日にインドネシアのイリアンジャヤで発生した地震です。地震の規模はM7.1、M7.5で、死者が37人、負傷者が682人でした。
モロッコ地震(2004年)
2004年2月24日にモロッコ北部沿岸付近で発生した地震です。地震の規模はM6.4でした。多くの住民ががれきの下敷きになり、死者が628人、負傷者が約920人、家屋の全壊が2,540棟でした。
アロール島地震(2004年)
2004年11月12日にインドネシアのアロール島で発生した地震です。地震の規模はM7.3で、死者が34人、負傷者が400人でした。
パプア州西部地震(2004年)
2004年11月26日にインドネシアのプア州ナビレで発生した地震です。地震の規模はM7.2で、死者が32人、負傷者が130人でした。
マッコーリー島周辺の地震(2004年)
2004年12月23日にオーストラリアのマッコーリー島周辺で発生した地震です。地震の規模はMw8.1でした。ニュージーランドで30cm、タスマニア島で10cmの小さな津波が観測されました。
スマトラ島沖大地震(2004年)
2004年12月26日にインドネシアのスマトラ島沖で発生した巨大地震です。震源はスマトラ島の西方約160km、深さ10kmのスンダ海溝上で、インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートの下へ沈み込む形状の海溝になっています。地震の規模はM9.0で、2つの地震が連続したことで大地震となりました。
この地震により大津波が発生し、インドネシア、タイ、マレーシア、インド、スリランカ、モルディブやアフリカ大陸まで到達し、インド洋沿岸諸国に甚大な被害をもたらしました。これによる被災者は120万人,死者及び行方不明者は30万人以上でした。また、タイの観光地のプーケットでは多くの観光客が犠牲となり、35人の日本人も亡くなりました。
イランの地震(2005年)
2005年2月22日にイランのケルマーン州ザランド付近で発生した地震です。地震の規模はM6.5で、死者が612人、負傷者が1,411人、被災者が9万3千人でした。家屋の25~90%が全半壊し、多くの住民が下敷きになりました。
スマトラ島沖地震(2005年)
2005年3月28日にスマトラ島沖で発生した地震です。地震の規模はM8.4で、震源地に近いニアス島を中心に死者が1,303人、負傷者が多数でした。 2004年12月のスマトラ大地震の誘発地震とみられています。大規模な津波の発生はありませんでしたが、小規模な津波がインド洋沿岸で観測されました。
パキスタン北部地震(2005年)
2005年10月8日にパキスタン北東部のカシミール地方で発生した地震です。地震の規模はM7.6で、パキスタン、インド、アフガニスタンに被害がありました。地震による被害は死者が7万5千人、負傷者が7万6千人で、350万人が家屋を失いました。
トンガの地震(2006年)
2006年5月4日にトンガで発生した地震です。地震の規模はM7.8で、負傷者が1人でした。この地震により、トンガのヌクアロファ、アメリカ領サモアのパゴパゴ、ニュージーランドのニウエなどで 0.2mの津波が観測されました。
ジャワ島中部地震(2006年)
2006年5月27日にインドネシアのジャワ島中部で発生した地震です。震源の深さは10kmで、地震の規模はM6.3でした。この地震による被害は死者が5,776人、負傷者が38,814人、避難者が2,310,549人、家屋の倒壊が329,899軒、家屋の損壊が276,785軒でした。
ジャワ島南方沖地震(2006年)
2006年7月17日にインドネシアのジャワ島南方沖で発生した地震で、地震発生1時間後に津波がジャワ島南岸を広く襲いました。地震の規模はM7.7で、パンガンダランを中心に死者・行方不明者が801人、負傷者が543人でした。
千島列島東方の地震(2006年)
2006年11月15日に千島列島沖で発生した地震です。地震の規模はM7.9でした。この地震により津波が発生し、日本では北海道の日本海沿岸北部からオホーツク海沿岸、太平洋沿岸及び伊豆・小笠原諸島で津波が観測されました。国内で観測した最大の津波の高さは84cmでした(三宅島)。また、ハワイのワイキキで負傷者1人の被害がありました。
千島列島東方の地震(2007年)
2007年1月13日に千島列島沖で発生した地震です。千島・カムチャツカ海溝の南側の太平洋プレート内部で発生した浅い地震で、地震の規模はM8.2でした。北海道・東北地方で最大震度3、北海道や太平洋の沿岸地域で津波が観測され、国内で観測した最大の津波の高さは43cm(三宅島)でした。
ソロモン諸島沖地震(2007年)
2007年4月2日にソロモン諸島で発生した地震です。地震の規模はM8.1で、斜面崩壊と津波により死者が52人、家屋の倒壊・流失が3,150棟、被災人口が24,059人でした。
ペルー地震(2007年)
2007年8月15日にペルー沿岸で発生した地震です。ナスカプレートと南米プレートの境界で発生した逆断層型の地震で、地震の規模はM7.9、死者が514人、負傷者が1,090人でした。この地震により津波が発生し、太平洋の広い範囲で津波が観測されました。
スマトラ南部地震(2007年)
2007年9月12日にスマトラ島南部のベンクルの130km沖で発生した地震です。地震の規模はM8.4で、死者が25人、負傷者が161人でした。インド洋の各地で津波が観測され、インドネシアのパダンで1.1mでした。M7.9とM7.1の余震もありました。
汶川地震(2008年)
2008年5月12日に中国の四川省汶川で発生した地震です。地震の規模はM7.9で、死者が69,227人、行方不明者が17,923人、負傷者が374,643人、建物の全壊が約536万棟、半壊が2,100万棟という甚大な被害でした。この地震で中学校が倒壊して900名の生徒が生き埋めになり、また、震源地付近では土砂崩れによる堰止め湖の決壊の恐れから20万人以上の住民が避難しました。
パキスタン西部の地震(2008年)
2008年10月28日にアフガニスタンとの国境近くのパキスタン西部で発生した地震です。地震の規模は M6.4で、死者が166人、負傷者が370人でした。
ラクイラ地震(2009年)
2009年4月6日にイタリア中部のラクイラで発生した地震です。地震の規模はM5.8で、死者が295人、負傷者が1500人以上、家を失った人が6万5000人でした。
ニュージーランド西岸の地震(2009年)
2009年7月15日にニュージーランド南島の西岸で発生した地震です。地震の規模はM7.8でした。マグニチュードが大きく震源の浅い(深さ12km)地震のため、太平洋津波警報センターは津波警戒情報を発表しましたが、1時間10分後には解除されました。
ジャワの地震(2009年)
2009年9月2日にインドネシアのジャワ島付近で発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者・行方不明者が138人、負傷者が1,297人でした。インド・オーストラリアプレート内部で発生した逆断層型地震と考えられています。
サモア諸島沖地震(2009年)
2009年9月29日にサモア諸島沖で発生した地震です。地震の規模はM8.1で、地震後約20分以内に周辺の島々を4〜6mの津波が襲い、サモアとトンガに甚大な被害を及ぼしました。死者・行方不明者はサモアで148人、米領サモアで35人、トンガで9人で、全体で192人でした。津波は日本にも到達し、最大36cm(久慈港)でした。
パダン沖地震(2009年)
2009年9月30日にインドネシアのスマトラ島西部のパダン沖で発生した地震です。地震の規模はM7.5で、死者が1,100 人以上、負傷者が2,181人以上でした。また、パダンでは津波が観測されました。
ハイチ地震(2010年)
2010年1月12日にハイチで発生した地震です。 震央は首都ポルトープランスから15kmに位置するレオガン市で、地震の規模はM7.0でした。甚大な被害が発生し、死者が約31万6千人、負傷者が約31万人、倒壊住宅が10万5000戸、損壊住宅が20万8000戸で、被災者数は約370万人で国民の約3分の1でした。
チリ中部地震(2010年)
2010年2月27日にチリ中部沿岸で発生した地震です。地震の規模はM8.5で、死者が547人、負傷者が12,000人でした。南米プレートとその下に沈みこむナスカプレートの境界で発生した逆断層型の地震でした。津波が発生し、チリのバルパライソで261cm、タルカワノで181cm以上、日本では久慈港と須崎港で1.2mでした。
スマトラ北部の地震(2010年)
2010年4月6日にインドネシアのスマトラ島沖で発生した地震です。地震の規模はM7.7で、ユーラシアプレートとスマトラ島の地下に沈み込むインド・オーストラリアプレートの境界で発生した逆断層型地震でした。津波が発生しましたが大きな被害はありませんでした。
青海地震(2010年)
2010年4月14日に中国の青海省で発生した地震です。地震の規模はM6.9で、死者が2,986人、負傷者が12,135人でした。
パプアの地震(2010年)
2010年6月16日にインドネシアのパプア州西部で発生した地震です。地震の規模はM7.0で、死者が17 人以上、建物被害が2,556棟でした。この地震の約10分前にはM5.9の地震が、42分後にはM6.6の余震がありました。
ミンダナオの地震(2010年)
2010年7月23日にフィリピンのミンダナオ島で発生した深発地震です。7時08分のMw7.3(深さ594km)、7時51分のMw7.6(深さ576km)、8時15分のMw7.4(深さ650km)の3回の地震でした。
スマトラ南部の地震(2010年)
2010年10月25日にスマトラ島西部のムンタワイ諸島で発生した地震です。地震の規模はM7.7で、死者503人、負傷者が498人でした。津波による被害が甚大でした。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
国土交通省ホームページ
土木学会ホームページ
自然災害学会ホームページ
津波工学研究報告20(2003)47-52.
地質調査総合センターホームページ
内閣府防災情報のページ
津波工学研究報告21(2004)15-19.
津波工学研究報告21(2004)21-24.
日本地震工学会ホームページ
DRI Survey Report No. 3, 2003
土木学会ホームページ
津波工学研究報告30(2013)19-25.
DRI Survey Report No. 4、2003
国土交通省ホームページ
内閣府防災情報のページ
内閣府防災情報のページ
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
気象庁ホームページ
地震本部ホームページ
験震時報 第71巻(2008)103 -135.
気象庁ホームページ
Annuals of Disas. Prev. Res. Inst., Kyoto Univ., No. 51 A, 2008, 129-134.
気象庁ホームページ
津波工学研究報告26(2009)11-16.
土木学会ホームページ
内閣府防災情報のページ
内閣府防災情報のページ
東京大学地震研究所ホームページ
気象庁ホームページ
内閣府防災情報のページ
内閣府防災情報のページ
外務省ホームページ
気象庁ホームページ
国土地理院ホームページ
国土地理院ホームページ
国土地理院ホームページ
国土地理院ホームページ
東京大学地震研究所ホームページ
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