この記事は下記の方にお勧めです。
・津波の基礎を知りたい方
・津波の『高さ』について知りたい方
・日本最大と世界最大の津波を知りたい方
津波の『高さ』にはいろいろある
南海トラフ巨大地震での津波の高さの予測が30メートルって聞いたけど、どの高さなんだろう
気象庁によると南海トラフ巨大地震により太平洋岸の広い範囲に津波が発生し、その最大の津波の高さ(津波高)は30メール以上と言われています。また、内閣府によると高知県黒潮町に黒潮町に最大で高さ34.4メートルの津波が押し寄せるとの発表もなされています。
一方、東日本大震災で陸地を駆け上がった津波の高さ(遡上高)は最高で43.3メートルとの東京大学地震研究所の発表があります。
上記の二つの津波の高さ(津波高と遡上高)は異なるものですが、混同して使用されていることもあります。
このブログでは津波の『高さ』についてまとめます。
津波の『高さ』の種類
津波の高さには下図のようにいくつかの種類があります。
津波高(津波の高さ)
津波高は平常潮位(津波がない場合の潮位)と津波によって海面が上昇したその高さの差のことで、検潮所で観測されます。気象庁が津波情報で発表している「予想される津波の高さ」は、この津波高で海岸線での値です。つまり、津波自身の高さで、一般的に津波の高さとして思い浮かべる高さのことです。
なお、令和6年能登半島地震では一部の検潮所において隆起のために通常の海面が測位されず、津波高のデータが発表されませんでした。
遡上高
遡上高は津波が陸上を這い上がった最高地点の高さのことで、漂流物などの痕跡から確認することができます。
「遡上高」は海岸付近での「津波高」の2倍〜4倍に達することもあります。また、V字谷のような特殊な地形の場所ではさらに高くなることもあります。
浸水高
浸水高は津波到達時の潮位から津波の痕跡までの高さのこと、つまり、家屋や田畑が水で覆われた時の地面から水面までの高さ(深さ)を意味します。
なお、浸水高が50cm未満の場合は「床下浸水」、50cm以上の場合は「床上浸水」になります。
日本最大の津波
明治以降の日本最大の津波は、2011年の東日本大震災で岩手県大船渡市において観測された40.1メートルの遡上高の津波です。なお、津波高(気象庁の検潮所で観測)は、福島県相馬で9.3メートル以上、岩手県宮古で8.5メートル以上、大船渡で8.0メートル以上で、宮城県女川漁港では14.8メートルの津波痕跡が確認されています。
それに次ぐのが1896年の明治三陸津波で大船渡市観測された約38.2メートルの遡上高です。
また、それ明治以前で記録がある中では1770年の明和の大津波が最大で、石垣島において85メートルの遡上高だったと言われています。
世界最大の津波
世界最大の津波は1958年7月9日にアラスカ州のリツヤ湾で発生したものです。推定マグニチュード7.7~8.3の地震により山体崩落したことが原因です。リツヤ湾は奥行き約11キロメートル、幅約3キロメートルの細長い湾で、両岸が斜面になっており、片側の斜面から地震により推定3000万立方メートルの岩石が約914メートル落下し津波を発生させました。そして、対岸の斜面の約524メートルのところで津波の痕跡が見つかっています。
この524メートルというのは遡上高というよりも、落石による水飛沫が524メートルの高さまで上がったという方が相応しいようですが、大規模な津波であったことには違いありません。
幸いなことに人が住んでいる場所ではなく人的被害はなかったようですが、今後、地球の温暖化による氷河の崩落で大規模な津波が発生することが懸念されています。
まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
Forbes JAPAN
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