はじめに
天気予報やニュースで「台風の上陸」や「台風の接近」というワードを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
「台風の上陸」は、台風の中心が完全に本土(北海道、本州、四国、九州の4島)の陸上に達したことを言います。なお、台風の中心が小さい島や小さい半島を横切って短時間で再び海上に出る場合は、「台風の上陸」ではなく、「台風の通過」と言います。
一方、「台風の接近」は、台風の中心が、ある地点から300km以内に入ることを言い、「日本本土への接近」と言う場合は、北海道・本州・四国・九州のいずれかへの接近を指します。
年間の台風の平年値(1991年~2020年の30年平均)は、発生数が25.1個、接近数が11.7個、上陸数が3.0個です。
この記事では2001年〜2005年に日本の上陸もしくは接近した台風についてまとめます。

日本に上陸・接近した台風 2001年
2001年は台風の発生数が26個、接近数が9個、上陸数が2個でした。
2001年 台風第11号(上陸)
2001年の台風第11号は、8月14日21時に発生し、8月23日3時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風は8月17日に超大型で強い勢力となり、勢力を維持したまま18~19日にかけて日本の南海上を北西寄りに進み、21日に和歌山県田辺市付近に上陸し、三重県志摩半島付近を通過し、沼津市付近、藤沢市付近、船橋市付近にそれぞれ再上陸し、三陸沿いに進んで23日に熱帯低気圧になりました。
九州から関東にかけての太平洋側を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が6人、負傷者が32人、住家の半壊が1棟、一部破損が45棟、床上浸水が84棟、床下浸水が634棟でした。

2001年 台風第15号(上陸)
2001年の台風第15号は、9月4日9時に発生し、9月12日15時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は9月8日には父島の北の海上にて大型で非常に強い勢力になり、9日に本州の南海上で勢力を弱め始め、11日に伊豆半島の東海上を北上して鎌倉市付近に上陸しました。そして、次第に弱まりながら東海上に抜けました。
東海・関東・北日本を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が8人、負傷者が48人、住家の全壊が5棟、半壊が8棟、一部破損が149棟、床上浸水が112棟、床下浸水が726棟でした。

2001年 台風第1号(接近)
2001年の台風第1号は、5月11日9時に発生し、5月14日21時に消滅しました。最低気圧は985hPaで、最大風速は25m/sでした。
この台風により沖縄で暴風雨になり、床上浸水が1棟、床下浸水が4棟の被害がありました。

2001年 台風第6号(接近)
2001年の台風第6号は、7月22日9時に発生し、7月29日9時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2001年 台風第8号(接近)
2001年の台風第8号は、7月27日9時に発生し、7月31日3時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2001年 台風第9号(接近)
2001年の台風第9号は、8月2日15時に発生し、8月10日3時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2001年 台風第16号(接近)
2001年の台風第16号は、9月6日9時に発生し、9月20日15時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風は9月5日に石垣島の南海上で発生し、沖縄本島南部を通過した後、わずかに勢力を弱めながら沖縄本島のすぐ東の海上で時計回りに小さく一回転して北西に進み、8日に沖縄本島中部を通過しました。そして、沖縄本島の西の海上で3日間勢力を維持しながら反時計回りに一回転し、11日には久米島のすぐ南海上で強い勢力になり、13日に久米島付近を通過して北西に進み、15日に石垣島の北海上で再び強い勢力になりました。16日に台湾に上陸し、著しく勢力を弱めて17日に台湾の東海上を抜けて熱帯低気圧になりました。この熱帯低気圧は約30時間、同海域でほぼ停滞した後、19日に台湾南部から台湾海峡に進みました。
この台風により沖縄で暴風雨になり、また、前線を刺激したため高知県などで大雨による被害があり、負傷者が12人、住家の全壊が40棟、半壊が70棟、一部破損が63棟、床上浸水が1,270棟、床下浸水が1,045棟でした。

2001年 台風第17号(接近)
2001年の台風第17号は、9月18日9時に発生し、9月21日21時に消滅しました。最低気圧は975hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2001年 台風第19号(接近)
2001年の台風第19号は、9月22日21時に発生し、9月28日3時に消滅しました。最低気圧は965hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風により沖縄で暴風雨になり、住家の全壊が1棟、一部破損が1棟、床上浸水が24棟、床下浸水が36棟の被害がありました。

2001年 台風第20号(接近)
2001年の台風第20号は、10月4日15時に発生し、10月9日15時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2001年 台風第21号(接近)
2001年の台風第21号は、10月12日21時に発生し、10月18日21時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は35m/sでした。
九州南部で被害があり、住家の全壊が1棟、半壊が2棟、一部破損が65棟、床上浸水が93棟、床下浸水が556棟でした。

日本に上陸・接近した台風 2002年
2002年は台風の発生数が26個、接近数が10個、上陸数が3個でした。
2002年 台風第6号(上陸)
2002年の台風第6号は、6月29日9時に発生し、7月12日0時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は7月7日に沖の鳥島の南東海上において大型で非常に強い勢力に発達し、9日早朝に南大東島の東海上を通過し、11日0時過ぎに千葉県館山市付近に上陸し、鹿島灘を経て三陸沖を北北西へ進み、21時頃に北海道釧路市付近に再上陸しました。そして、勢力を弱めながらオホーツク海に抜け、温帯低気圧に変わりました。
東海、関東、東北を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が7人、負傷者が30人、住家の全壊が21棟、半壊が29棟、一部破損が210棟、床上浸水が2,382棟、床下浸水が7,936棟でした。

2002年 台風第7号(上陸)
2002年の台風第7号は、7月8日3時に発生し、7月17日3時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は7月13日に沖の鳥島の南海上において大型で非常に強い勢力となり、14日に沖縄の南海上に達し、沖縄本島南部を強い勢力で通過して東シナ海へ進み、15日に九州の南海上、さらに四国の南海上を進み、16日には本州の南岸を進んで伊豆半島南部に上陸し、千葉県館山市付近に再上陸しました。そして、銚子市付近を通過して鹿島灘を北東へ進み、北海道の東海上で温帯低気圧に変わりました。
沖縄と奄美で暴風雨になり、また、前線の影響で中部、北陸、関東などで大雨による被害があり、負傷者が9人、住家の全壊が6棟、半壊が25棟、一部破損が198棟、床上浸水が34棟、床下浸水が267棟でした。

2002年 台風第21号(上陸)
2002年の台風第21号は、9月27日3時に発生し、10月2日15時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は強い勢力のまま10月1日に三浦半島を通過し、川崎市付近に上陸しました。そして、関東地方から東北地方を通過し、2日に北海道苫小牧市付近に再上陸し、北海道を北へ進み、サハリンの西の海上で温帯低気圧に変わりました。
台風が縦断した関東から北日本にかけて被害があり、死者・行方不明者が4人、負傷者が108人、住家の全壊が12棟、半壊が75棟、一部破損が2,619棟、床上浸水が307棟、床下浸水が1,947棟でした。

2002年 台風第4号(接近)
2002年の台風第4号は、6月8日15時に発生し、6月11日6時に消滅しました。最低気圧は975hPaで、最大風速は30m/sでした。
この台風により沖縄で暴風雨になり、沖縄県で負傷者が1人、床下浸水が2棟の被害がありました。

2002年 台風第5号(接近)
2002年の台風第5号は、6月29日9時に発生し、7月6日21時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風により沖縄と奄美で暴風雨になり、負傷者が2人、住家の半壊が1棟、一部破損が2棟、床下浸水が4棟の被害がありました。

2002年 台風第8号(接近)
2002年の台風第8号は、7月9日9時に発生し、7月13日0時に消滅しました。最低気圧は983hPaで、最大風速は25m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2002年 台風第9号(接近)
2002年の台風第9号は、7月14日9時に発生し、7月27日21時に消滅しました。最低気圧は920hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風により九州南東部で暴風雨になり、負傷者が2人、住家の一部破損が50棟の被害がありました。

2002年 台風第11号(接近)
2002年の台風第11号は、7月21日3時に発生し、7月27日12時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2002年 台風第13号(接近)
2002年の台風第13号は、8月12日9時に発生し、8月21日9時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風により神奈川県などで被害があり、床上浸水が5棟、床下浸水が83棟でした。

2002年 台風第15号(接近)
2002年の台風第15号は、8月23日9時に発生し、9月1日9時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風により鹿児島県と高知県を中心に大雨による被害があり、負傷者が11人、住家の全壊が2棟、半壊が17棟、一部破損が196棟、床上浸水が106棟、床下浸水が326棟でした。

2002年 台風第16号(接近)
2002年の台風第16号は、8月29日15時に発生し、9月8日9時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風により沖縄と奄美で暴風雨による被害があり、死者・行方不明者が1人、負傷者が58人、住家の全壊が19棟、半壊が109棟、一部破損が482棟、床上浸水が12棟、床下浸水が60棟でした。

2002年 台風第19号(接近)
2002年の台風第19号は、9月22日3時に発生し、9月22日21時に消滅した短寿命の台風でした。最低気圧は985hPaで、最大風速は23m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2002年 台風第25号(接近)
2002年の台風第25号は、11月21日3時に発生し、11月25日9時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

日本に上陸・接近した台風 2003年
2003年は台風の発生数が21個、接近数が10個、上陸数が2個でした。
2003年 台風第4号(上陸)
2003年の台風第4号は、5月26日9時に発生し、5月31日9時に消滅しました。最低気圧は980hPaで、最大風速は30m/sでした。
この台風は5月30日に那覇市の東南東の海上に達した後に種子島の南東を通過し、31日に愛媛県宇和島市付近に上陸し、香川県で温帯低気圧になりました。
九州地方から東海地方にかけての太平洋側で大雨になり、死者・行方不明者が1人、負傷者が1人、住家の一部破損が6棟、床上浸水が11棟、床下浸水が71棟の被害がありました。

2003年 台風第10号(上陸)
2003年の台風第10号は、8月3日15時に発生し、8月10日3時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は8月7日に強い勢力で沖縄本島および奄美諸島を通過し、8日に強い勢力を保ったまま高知県室戸市付近に上陸しました。そして、9日に兵庫県西宮市付近に再上陸し、北陸、東北地方を縦断し、10日に北海道襟裳岬付近に再々上陸し、国後島付近で温帯低気圧に変わりました。
この台風により南西諸島と西日本の各地で暴風が吹き、また、九州から関東にかけての太平洋側を中心に大雨が降り、総雨量は多い所で約700ミリに達しました。また、北海道でも前線と台風の影響により、多い所で約400ミリの大雨になりました。最大瞬間風速の極大値は高知県室戸岬で69.2m/sでした。
死者・行方不明者が19人、負傷者が94人、住家の全壊が28棟、半壊が27棟、一部破損が559棟、床上浸水が389棟、床下浸水が2,009棟の被害がありました。

2003年 台風第2号(接近)
2003年の台風第2号は、4月11日9時に発生し、4月25日12時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第5号(接近)
2003年の台風第5号は、6月1日9時に発生し、6月3日21時に消滅しました。最低気圧は985hPaで、最大風速は25m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第6号(接近)
2003年の台風第6号は、6月13日15時に発生し、6月20日0時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風により九州を中心に被害があり、負傷者が29人、住家の全壊が2棟、一部破損が64棟、床下浸水が5棟でした。

2003年 台風第11号(接近)
2003年の台風第11号は、8月19日15時に発生し、8月20日9時に消滅しました。最低気圧は996hPaで、最大風速は18m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第14号(接近)
2003年の台風第14号は、9月6日15時に発生し、9月14日6時に消滅しました。最低気圧は910hPaで、最大風速は55m/sでした。
この台風は、9月6日にマリアナ諸島近海で発生し、10日21時に宮古島の南東海上で中心付近の最大風速が55m/s の「猛烈な台風」になり、11日3時には中心気圧が910hPaになりました。そして、11日5時前に宮古島を通過し、東シナ海、朝鮮半島、日本海を通り、13日には北海道に接近し、14日朝に温帯低気圧になりました。
11日に下地島(沖縄県)で最大風速49m/s(歴代の第9位)を観測しました。
この台風による主な被害は、死者が3人、負傷者が110人、住家の全壊が18棟、半壊が87棟、一部損壊が1,437棟、床上浸水が72棟、床下浸水が303棟などでした。

2003年 台風第15号(接近)
2003年の台風第15号は、9月18日9時に発生し、9月23日9時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風により関東南部で大雨になり、鹿児島県で住家の一部損壊が17棟の被害がありました。

2003年 台風第16号(接近)
2003年の台風第16号は、9月27日3時に発生し、9月30日15時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第17号(接近)
2003年の台風第17号は、10月19日9時に発生し、10月26日15時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第19号(接近)
2003年の台風第19号は、10月30日21時に発生し、11月4日3時に消滅しました。最低気圧は980hPaで、最大風速は25m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2003年 台風第21号(接近)
2003年の台風第21号は、11月21日21時に発生し、12月2日21時に消滅しました。最低気圧は915hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

日本に上陸・接近した台風 2004年
2004年は台風の発生数が29個、接近数が9個、上陸数が10個でした。
2004年 台風第4号(上陸)
2004年の台風第4号は、6月7日3時に発生し、6月11日18時に消滅しました。最低気圧は960hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風は6月7日にルソン島の西海上で発生し、最大風速40m/sと勢力を維持したまま10日に先島諸島、久米島を通過して、沖縄本島の西海上を北東へ進みました。最大瞬間風速は石垣島で42.3m/s、宮古島で51.5m/s、久米島で46.1m/sでした。また、台風接近前の8日頃からは梅雨前線の活動が活発となり各地でまとまった雨が降り、特に9日からは台風の影響も重なり、糸満市付近で1時間に約100mmの降水量を観測するなどの猛烈な雨に見舞われました。
沖縄県と鹿児島県で、死者・行方不明者が1人、負傷者が1人、住家の半壊が1棟、一部破損が1棟、床上浸水が8棟、床下浸水が24棟の被害がありました。

2004年 台風第6号(上陸)
2004年の台風第6号は、6月13日21時に発生し、6月22日3時に消滅しました。最低気圧は915hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は6月16日には大型で非常に強い勢力に発達し、20日に沖縄と奄美諸島近海を通り、21日に強い勢力のまま高知県室戸市付近に上陸しました。そして、兵庫県明石市付近に再上陸し、京都府舞鶴市付近を通って日本海に抜け、能登半島の沿岸、佐渡沖を通って津軽海峡の西で温帯低気圧に変わりました。
20日から21日には沖縄地方から東北地方にかけて台風接近・通過時を中心に暴風となり、高知県室戸岬で最大風速43.7m/s(最大瞬間風速57.1m/s)、沖縄県南大東島で最大風速28.6m/s(最大瞬間風速48.7m/s)などでした。さらに、18日から22日にかけての総降水量は、三重県、高知県、徳島県で400mmを超え、九州地方から東海地方にかけての太平洋側で300mmを超えた所もありました。主な被害は死者・行方不明者が5人、負傷者が117人、住家の全壊が1棟、半壊が5棟、一部破損が168棟、床上浸水が4棟、床下浸水が45棟でした。

2004年 台風第10号(上陸)
2004年の台風第10号は、7月25日9時に発生し、8月2日9時に消滅しました。最低気圧は935hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は7月31日に高知県西部に上陸し、瀬戸内海を経て広島市付近に再上陸し、日本海を北上し熱帯低気圧に変わりました。
この台風の影響で7月29日から31日にかけて東日本の太平洋側と西日本で大雨になり、特に近畿南部や四国地方で非常に激しい雨が降りました。さらに、台風の通過後も8月1日から2日にかけて発達した雨雲が太平洋から四国地方に流れ込み、高知県や愛媛県では1時間に100ミリを超える猛烈な雨を観測しました。7月29日から8月2日まで5日間の総降水量は徳島県や奈良県で1000ミリを超え、高知県では700ミリを超えました。
四国や中国地方を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が3人、負傷者が19人、住家の全壊が11棟、半壊が22棟、一部破損が61棟、床上浸水が274棟、床下浸水が2,579棟でした(台風11号の被害を含む)。

2004年 台風第11号(上陸)
2004年の台風第11号は、8月4日9時に発生し、8月5日6時に消滅しました。最低気圧は996hPaで、最大風速は20m/sでした。
この台風は8月4日に潮岬の南海上で台風となり、徳島県阿南市付近に上陸しました。この台風の影響で8月4~5日に近畿南部や三重県を中心に大雨となり、奈良県上北山村では降り始めからの総降水量が734mmでした。
近畿南部や四国地方を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が3人、負傷者が19人、住家の全壊が11棟、半壊が22棟、一部破損が61棟、床上浸水が274棟、床下浸水が2,579棟でした(台風10号の被害を含む)。

2004年 台風第15号(上陸)
2004年の台風第13号は、8月16日15時に発生し、8月20日18時に消滅しました。最低気圧は970hPaで、最大風速は35m/sでした。
この台風は8月17日に中心気圧980hPa、最大風速25m/sの勢力で久米島の西海上を通過し、18日に九州の西海上で中心気圧970hPa、最大風速35m/sの強い勢力となり、19日に五島列島、対馬、朝鮮半島の一部を暴風域に巻き込みながら日本海を北東に進みました。そして、20日には中心気圧975hPa、最大風速30m/sの勢力で津軽半島に上陸し、昼過ぎには暴風域を伴ったまま北海道の南海上を東に進みました。
この台風が沖縄近海から東シナ海を北上中の17日から18日にかけて暖かく湿った空気が西日本や東日本に流入し、四国地方や九州地方などで非常に激しい雨が降り、20日24時までの総降水量は四国で600mmを越えました。このため、土石流などの土砂災害などの大雨の被害が相次いで発生しました。また、台風が日本海を北東に進み東北地方に接近すると台風と前線の影響で19日には九州~北陸の日本海側、20日には北日本~北陸を中心に広範囲で強風となり、暴風による建物の被害や停電、高波、高潮の被害が発生し、さらに、塩害による農業関係の被害が発生しました。
近畿南部や四国を中心に大雨による被害があり、死者・行方不明者が10人、負傷者が28人、住家の全壊が16棟、半壊が88棟、一部破損が663棟、床上浸水が400棟、床下浸水が2,326棟でした。

2004年 台風第16号(上陸)
2004年の台風第16号は、8月19日21時に発生し、8月31日15時に消滅しました。最低気圧は910hPaで、最大風速は55m/sでした。
この台風は8月30日に鹿児島県串木野市付近に大型で強い勢力で上陸して九州を縦断し、山口県防府市付近に再上陸した後、中国地方から能登沖を強い勢力のまま進み、31日に津軽海峡を通って北海道苫小牧市付近に上陸しました。
8月27日から31日にかけての総雨量は西日本の太平洋側で500mmを越え、台風の上陸・接近に伴なって各地で暴風となり被害をもたらしました。また29日から31日には台風の接近・通過に伴い、全国的に最大潮位偏差50cm以上を観測し、特に瀬戸内海沿岸を中心に1mを超す大きな高潮が発生しました。特に30日夜には台風接近と大潮期間の満潮とが重なり、高松港、宇野港などで観測開始以来最も高い潮位を観測しました。
九州から近畿地方にかけて強風や大雨による被害があり、また、高松では高潮による浸水被害があり、死者・行方不明者が17人、負傷者が288人、住家の全壊が35棟、半壊が133棟、一部破損が8,909棟、床上浸水が14,565棟、床下浸水が32,266棟でした。

2004年 台風第18号(上陸)
2004年の台風第18号は、8月28日9時に発生し、9月8日9時に消滅しました。最低気圧は925hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は9月3日に南大東島の南東約470kmの海上で中心気圧940hPa、最大風速45m/s、暴風半径東側240km、西側200km、強風半径東側650km、西側560kmと大型で非常に強い台風となり、勢力を維持しながら長崎県に上陸して九州北部を横断し、日本海を北東に進み、暴風半径南東側150km、北西側70km、強風半径南東側600km、北西側410kmと暴風域を伴ったまま北海道西海上を北上しました。このため、北海道の大半が暴風域に入り、道内の半数を超える気象官署で最大瞬間風速を更新しました。
沖縄、九州、中国、北海道で、それまでの記録を更新する最大瞬間風速50m/s以上の猛烈な風を観測し、宮崎県諸塚村では900mmを越える大雨を観測し、瀬戸内海沿岸、西日本から北日本にかけての日本海側沿岸などでは高潮が発生しました。強風による転倒、転落、飛散物の落下や高波の被害などの人的被害も多く発生し、強風害は建物・文化財の倒壊や倒木、農業被害まで及びました。さらに、船舶の乗揚げ事故、高潮による浸水被害など台風の影響、被害は多岐に渡りました。
沖縄地方から北海道地方にかけて強風被害があり、死者・行方不明者が45人、負傷者が1,365人、住家の全壊が132棟、半壊が1,396棟、一部破損が65,065棟、床上浸水が1,570棟、床下浸水が6,626棟でした。

2004年 台風第21号(上陸)
2004年の台風第21号は、9月21日3時に発生し、9月30日9時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は9月24日は中心気圧940hPa、最大風速45m/s、暴風半径170km、強風半径370kmの非常に強い勢力となり、勢力を維持しながら沖縄本島と宮古島の間を通過し、29日に中心気圧970hPa、最大風速30m/s、暴風半径100km、強風半径260kmの勢力で鹿児島県串木野市付近に上陸しました。そして、高知県宿毛市付近に再上陸後、高知県、徳島県を横断し、大阪市付近に再上陸し、近畿、北陸、南東北を通って太平洋に抜けました。
この台風により各地で大雨になり、崖崩れ、土石流、土砂崩れなどが発生し、また、河川の増水などによる浸水害が三重県、愛媛県、兵庫県を中心に発生しました。さらに、27日は沖縄県名護市付近や今帰仁村付近で、29日には愛知県豊橋市付近で竜巻が発生しました。加えて、三重県尾鷲市で1時間に133mm、三重県宮川村で1時間に139mmの猛烈な雨を観測するなど、台風と前線の影響による総雨量は尾鷲市で900mmを超えるなど、西日本から東海地方にかけて大雨をもたらし、30日には東北地方で大雨になりました。
台風と前線の影響により四国や近畿、東北北部で大雨による被害があり、死者・行方不明者が27人、負傷者が98人、住家の全壊が92棟、半壊が726棟、一部破損が2,007棟、床上浸水が5,193棟、床下浸水が14,412棟でした。

2004年 台風第22号(上陸)
2004年の台風第22号は、10月4日15時に発生し、10月10日9時に消滅しました。最低気圧は920hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は10月7日に日本の南海上で非常に強い台風となり、非常に強い勢力を保ったまま9日に伊豆半島に上陸し、横須賀市、千葉市付近を北東に進み、鹿島灘に抜けました。
この台風の影響で東海地方と関東甲信地方の各地で大雨や強風などによる被害が発生し、9日の明け方には千葉県勝浦で1時間降水量59.5mmを記録するなど房総半島を中心に非常に激しい雨になりました。台風が接近・通過した9日午後も各地で激しい雨になり、最大1時間降水量は静岡県御前崎で89mm、伊豆市湯ヶ島で75mm、東京都千代田区大手町で69.5mmをでした。8日0時からの総雨量は関東甲信地方、東海地方の広い範囲で200mmを越え、静岡県御前崎で420.5mm、静岡市清水で397mm、神奈川県箱根で395mm、千葉県鴨川で361mmでした。静岡県や関東地方は9日午後には暴風域に入り、最大瞬間風速は静岡県南伊豆町石廊崎で67.6m/s、熱海市網代で63.3m/s、最大風速は静岡県熱海市網代で39.4m/s、東京都大田区羽田で29.0m/sでした。
この台風により各地で大雨になり、崖崩れ、土石流、土砂崩れなどが発生し、また、河川の増水などによる浸水害が三重県、愛媛県、兵庫県を中心に発生しました。さらに、27日は沖縄県名護市付近や今帰仁村付近で、29日には愛知県豊橋市付近で竜巻が発生しました。加えて、三重県尾鷲市で1時間に133mm、三重県宮川村で1時間に139mmの猛烈な雨を観測するなど、台風と前線の影響による総雨量は尾鷲市で900mmを超えるなど、西日本から東海地方にかけて大雨をもたらし、30日には東北地方で大雨になりました。主な被害は、死者・行方不明者が9人、負傷者が166人、住家の全壊が135棟、半壊が287棟、一部破損が4,509棟、床上浸水が1,561棟、床下浸水が5,485棟でした。

2004年 台風第23号(上陸)
2004年の台風第23号は、10月13日9時に発生し、10月21日3時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風は10月19日に沖縄本島から奄美諸島沿いに進み、20日13時頃に大型の強い勢力で高知県土佐清水市付近に上陸し、15時過ぎに高知県室戸市付近に再上陸し、18時前に大阪府南部に引き続き大型で強い勢力で再上陸して近畿地方、東海地方に進み、21日3時に関東地方で温帯低気圧になりました。
この台風により、兵庫県豊岡市や出石町を流れる円山川と出石川が氾濫し、また、京都府福知山市から舞鶴市を流れる由良川が氾濫して浸水害が発生しました。人的被害は兵庫県、京都府、香川県を中心に、全国で死者・行方不明者が100人近くに達する甚大な被害でした。
この台風による主な被害は、死者が95人、行方不明者が3人、負傷者が721人、住家の全壊が907棟、半壊が7,929棟、一部破損が12,514棟、床上浸水が13,341棟、床下浸水が41,006棟でした。

2004年 台風第1号(接近)
2004年の台風第1号は、4月5日9時に発生し、4月16日21時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第2号(接近)
2004年の台風第2号は、5月14日9時に発生し、5月21日15時に消滅しました。最低気圧は935hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第7号(接近)
2004年の台風第7号は、6月23日15時に発生し、7月4日9時に消滅しました。最低気圧は940hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第8号(接近)
2004年の台風第8号は、6月26日9時に発生し、7月4日15時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第13号(接近)
2004年の台風第13号は、8月8日21時に発生し、8月13日9時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風は強風域が大きかったため沖縄地方が強風域に入り、先島諸島では11日昼過ぎから12日朝にかけて暴風域に入りました。宮古島で最大瞬間風速が48.8m/s、石垣島で42.2m/sでした。また、沖縄地方の沿岸の海域では大しけになり、特に台風の接近した先島諸島では猛烈なしけになりました。沖縄県で負傷者が5人、住家の全壊が1棟の被害がありました。

2004年 台風第17号(接近)
2004年の台風第17号は、8月20日9時に発生し、8月26日15時に消滅しました。最低気圧は955hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風は8月24日に中心気圧960hPa、最大風速40m/sの勢力で先島諸島を通過しました。大型で強い勢力を維持しながら先島諸島に向かってきた影響で、沖縄地方では大東島地方を除く各地方が強風域に入り、また、台風の速度が遅かったために石垣島では約32時間、宮古島で約26時間、与那国島で約28時間の間暴風になりました。宮古島では最大瞬間風速が51.3m/s、石垣島では56m/sでした。沖縄県で負傷者が6人、住家の全壊が1棟、一部破損が5棟、床上浸水が1棟、床下浸水が1棟の被害がありました。

2004年 台風第20号(接近)
2004年の台風第20号は、9月11日9時に発生し、9月13日15時に消滅しました。最低気圧は996hPaで、最大風速は20m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第24号(接近)
2004年の台風第24号は、10月16日21時に発生し、10月26日15時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2004年 台風第27号(接近)
2004年の台風第27号は、11月29日9時に発生し、12月4日15時に消滅しました。最低気圧は935hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

日本に上陸・接近した台風 2005年
2005年は台風の発生数が23個、接近数が9個、上陸数が3個でした。
2005年 台風第7号(上陸)
2005年の台風第7号は、7月22日3時に発生し、7月28日9時に消滅しました。最低気圧は975hPaで、最大風速は30m/sでした。
この台風は7月26日に千葉県鴨川市付近に上陸し、千葉県沿岸部を北北東に進みました。台風の北上に伴い、25日から26日夕方にかけて東海地方から関東地方の山沿いを中心に各地で激しい雨となり、最大1時間降水量は伊豆市天城山で55mmでした。
関東を中心に大雨になり、負傷者が5人、住家の一部破損が1棟の被害がありました。

2005年 台風第11号(上陸)
2005年の台風第11号は、8月20日3時に発生し、8月28日9時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は8月26日に三浦半島を通過し、千葉市付近に上陸後、北東に進みました。
静岡県と関東の太平洋側で大雨による被害があり、負傷者が10人、住家の半壊が3棟、一部破損が126棟、床上浸水が62棟、床下浸水が246棟でした。

2005年 台風第14号(上陸)
2005年の台風第14号は、8月29日21時に発生し、9月8日15時に消滅しました。最低気圧は925hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風は9月6日に長崎県諫早市に上陸し、九州北部を通過した後に山陰沖へ抜け、日本海を北東に進みました。7日に北海道瀬棚町に上陸し、北海道北部を通過してオホーツク海上で温帯低気圧に変わりました。この台風はゆっくりと九州西方海域を進んだために九州各地で大雨となり、宮崎県や大分県を中心とする九州地方で土砂崩れや河川の氾濫などの災害が発生しました。
九州・四国・中国地方で大雨による被害があり、また、秋雨前線に台風からの湿った空気が流れ込んだため関東で豪雨被害があり、死者・行方不明者が29人、負傷者が179人、住家の全壊が1,178棟、半壊が3,692棟、一部破損が2,817棟、床上浸水が7,159棟、床下浸水が13,580棟でした。

2005年 台風第3号(接近)
2005年の台風第3号は、4月23日9時に発生し、4月27日21時に消滅しました。最低気圧は935hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2005年 台風第4号(接近)
2005年の台風第4号は、5月31日21時に発生し、6月11日9時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2005年 台風第5号(接近)
2005年の台風第5号は、7月13日9時に発生し、7月20日15時に消滅しました。最低気圧は920hPaで、最大風速は55m/sでした。
この台風は7月18日に石垣島、与那国島に最接近して暴風となり、沖縄県で死者・行方不明者が1人、負傷者が7人、住家の一部破損が2棟の被害がありました。

2005年 台風第9号(接近)
2005年の台風第9号は、7月31日21時に発生し、8月7日21時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
この台風は8月4日に石垣島を通過しました。台風の速度が遅かったため、宮古島で約27時間、多良間島では約29時間と長時間暴風域に入ったままでした。沖縄県で負傷者が5人の被害がありました。

2005年 台風第13号(接近)
2005年の台風第13号は、8月27日9時に発生し、9月2日15時に消滅しました。最低気圧は925hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2005年 台風第15号(接近)
2005年の台風第15号は、9月7日9時に発生し、9月13日9時に消滅しました。最低気圧は945hPaで、最大風速は45m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

2005年 台風第17号(接近)
2005年の台風第17号は、9月21日3時に発生し、9月26日21時に消滅しました。最低気圧は950hPaで、最大風速は40m/sでした。
台風が接近した房総半島で被害があり、千葉県で負傷者が1人、住家の一部破損が1棟でした。

2005年 台風第19号(接近)
2005年の台風第19号は、9月26日9時に発生し、10月3日9時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
沖縄で暴風になり、負傷者が4人の被害がありました。

2005年 台風第20号(接近)
2005年の台風第20号は、10月10日15時に発生し、10月19日15時に消滅しました。最低気圧は930hPaで、最大風速は50m/sでした。
この台風による日本での被害はありませんでした。

まとめ
この記事をまとめます。
この記事は下記を参考にして作成しました。
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
気象庁ホームページ
防災科研ホームページ







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