過去に発生した地震(13) 昭和時代(2)

過去に発生した地震(13) 『昭和時代(2)』 自然災害に備えるブログ  地震
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この記事は下記の方にお勧めです。

・過去に発生した地震について知りたい方
・歴史に興味がある方

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はじめに

太古から地震が発生していたことを疑う人はいないのではないでしょうか。地層を調べることにより、断層や津波の痕跡から、おおよその地震発生の年代を知ることがあります。

しかし、いつ、どこで発生したのかをある程度の確度で知ることができるのは文字情報、つまり、古文書が現れてからのことです。日本では、西暦416年(允恭5年)の遠飛鳥宮とおつあすかのみや付近で発生した地震が文字情報のある最古の地震と言われています。

この記事では、昭和時代中期(1946年〜1965年)に日本で発生した主な地震についてまとめます。

昭和21年〜昭和30年

昭和南海地震(1946年)

西暦1946年(昭和21年)12月21日に発生し、潮岬南方沖78km、深さ24kmを震源とするプレート境界型巨大地震です。被害は中部地方から九州まで及び、死者が1330人、家屋の全壊が11591軒、半壊が23487軒、家屋の流出が1451軒、焼失が2598軒と甚大なものでした。房総半島から九州までの広い範囲を津波が襲い、被害は地震によるものより大きいものでした。波高は紀伊半島の南端の袋で6.9m、三重県、徳島県、高知県の沿岸で4~6mでした。地殻変動も発生し、室戸岬では1.3m、潮岬では0.7m、足摺岬では0.6m隆起しました。一方、高知県尾須崎では1.2mの沈降があり、高知市、須崎、宿毛付近でそれぞれ9.3、3.0、3.0km2に海水が入りました。地震の規模はM8.0で、1948年4月18日にはM7.0の最大余震がありました。

与那国島近海の地震(1947年)

西暦1947年(昭和22年)9月27日に与那国島近海で発生した地震です。石垣島で死者が1人、西表島で死者が4人あり、瓦の落下、地割れ、落石が発生しました。地震の規模はM7.4でした。

紀伊水道の地震(1948年)

西暦1948年(昭和23年)6月15日に和歌山県と奈良県南部に被害をもたらした地震です。被害は全体で死者が2人、負傷者が33人、家屋の全壊が60軒でした。また、和歌山県では道路の崩壊が597ヶ所、橋の落下が2ヶ所、山崩れが51ヶ所でありました。地震の規模はM6.7でした。

福井地震(1948年)

西暦1948年(昭和23年)6月28日に福井県嶺北地方に被害をもたらした活断層の活動による都市直下型地震です。被害は福井平野およびその付近に限られますが、死者が3728人、負傷者が21750人、家屋の全壊が35382棟、焼失が3851棟と大きな被害になりました。住家の全壊率が100%の集落が多数あり、鉄道、道路、河川堤防、橋梁、水道等の土木施設にも多大な被害が発生しました。この地震をきっかけに、気象庁は震度7(激震、家屋の倒壊率30%以上、400ガル以上)を設定しました。地震の規模はM7.1でした。

今市地震(1949年)

西暦1949年(昭和24年)12月26日に栃木県北部に被害をもたらした地震です。8時17分と8時25分に発生し、それぞれの地震の規模はM6.2、M6.4でした。被害は死者が10人、負傷者が163人、住家の全壊が290棟、半壊が2994棟、非住家の全壊が618棟で、山崩れも多く発生しました。

十勝沖地震(1952年)

西暦1952年(昭和27年)3月4日に十勝沖で発生し、北海道南部や東北北部に被害をもたらした地震です。池田、幕別、豊頃、厚真で震度6を、浦河、帯広、本別、釧路で震度5を観測しました。また、関東地方までの太平洋沿岸一帯に津波があり、波高は北海道で3m前後、三陸沿岸で1〜2mでした。全体で死者が5人、行方不明者が28人、住家全壊が815棟、流失が91棟でした。新冠町では牧草地の一部が地震の際に60cm~1mほど隆起し、「日高新山」と呼ばれました。地震の規模はM8.1でした。

大聖寺沖地震(1952年)

西暦1952年(昭和27年)3月7日に石川県西方沖で発生した地震です。福井県と石川県に被害があり、死者7人、負傷者8人、家屋の半壊が4軒でした。地震の規模はM6.5でした。

吉野地震(1952年)

西暦1952年(昭和27年)7月18日に奈良県で発生した地震です。震源の深さは61kmで、フィリピン海プレート内で発生しました。全体で死者が9人、住家の全壊が20軒でした。また、春日大社では1600基の石灯籠のうち650基が倒壊しました。地震の規模はM6.7でした。

房総沖地震(1953年)

西暦1953年(昭和28年)11月26日に関東東方沖で発生した地震です。太平洋プレート内部で発生した正断層型の地震と考えられており、銚子付近に最大2~3mの高さの津波が襲来しました。伊豆諸島で道路亀裂,八丈島で鉄管亀裂の被害がありました。地震の規模はM7.4でした。

徳島県南部の地震(1955年)

西暦1955年(昭和30年)7月27日に徳島県南部で発生した地震です。那賀川上流での被害が大きく、死者が1人、負傷者が8人あり、崖崩れ、道路の破損や亀裂、トンネルの崩壊がありました。地震の規模はM6.4で、徳島と日和佐で震度4でした。

昭和31年〜昭和40年

長岡地震(1961年)

西暦1961年(昭和36年)2月2日に新潟県中越地方で発生した地震です。局地的な地震で被害は直径2kmの範囲に集中し、死者が5人、住家の全壊が220軒、半壊が465軒でした。地震の規模はM5.2でした。

日向灘地震(1961年)

西暦1961年(昭和36年)2月27日に日向灘で発生した地震です。死者が2人(宮崎県と鹿児島県で各1人)、建物の全壊が全体で3軒、崖崩れ、地盤沈下、建物損壊、道路破損などの被害が発生しました。また、九州から中部の沿岸に津波が発生し、波高は最高50cmでした。地震の規模はM7.0でした。

北美濃地震(1961年)

西暦1961年(昭和36年)8月19日に発生し、福井県、岐阜県、石川県に被害をもたらした地震です。大日ヶ岳付近の深さ10kmほどの浅い震源での活断層型地震です。全体で死者が8人、負傷者が43人、家屋の全壊が12軒、道路の損壊が120ヶ所、山崩れが99ヶ所の被害がありました。地震の規模はM7.0でした。

宮城県北部地震(1962年)

西暦1962年(昭和37年)4月30日に宮城県北部で発生した地震です。田尻町、南方村を中心に被害あり、死者が3人、負傷者が272人、住家の全壊が340棟、半壊が1114棟で、橋梁、道路、鉄道の被害も多くありました。地震の規模はM6.5で、盛岡市、水沢市、石巻市、仙台市、新庄市、福島市で震度4でした。

越前岬沖地震(1963年)

西暦1963年(昭和38年)3月27日に若狭湾で発生した地震です。敦賀湾と若狭湾沿岸で被害があり、住家の全壊が2軒、半壊が4軒でした。地震の規模はM6.9でした。

新潟地震(1964年)

西暦1964年(昭和39年)6月16日に新潟県沖で発生し、新潟県、山形県、秋田県を中心に被害をもたらした地震です。特に新潟では県民の14%にあたる33万2,000人が被災しました。この地震による被害には、津波、火災、液状化による被害、道路の沈下や破損などがありました。特に新潟市や酒田市等の低湿地帯では液状化現象により鉄筋コンクリートの建物の多くが傾いたり沈んだりし、さらに、竣工間もない新潟市の昭和大橋の橋桁が落ちました。津波は新潟県府屋で5.4mと最も高く、秋田県男鹿半島から石川県能登半島までの沿岸では全般的に1~2mでしたが、佐渡両津湾では約3m、船川港では2~3m、七尾湾では約2mありました。また、昭和石油新潟製油所で火災が発生し、6月30日に鎮火するまでに貯蔵タンクは97基、周辺民家300軒余が延焼しました。全体で死者が26人、住家の全壊が1960軒、半壊が6640軒、浸水が15297軒でした。

震源地は新潟県粟島沖南方20キロメートルで深さ40kmでした。地震の規模はM7.5で、新潟市、相川町、長岡市などで震度5でした。

静岡県中部の地震(1965年)

西暦1965年(昭和40年)4月20日に静岡県で発生した地震です。旧清水市北部の平野で被害が大きく、死者が2人、負傷者が4人、住家の一部破損が9軒でした。地震の規模はM6.1でした。

松代群発地震(1965年〜1967年)

西暦1965年(昭和40年)8月3日から1967年(昭和42年)10月まで長野県北部で発生した群発地震です。体に感じない地震を含めた総回数は74万回を越え、震度1以上の地震回数の1日当たりの最大は585回でした。最大の地震は1966年4月5日17時51分に起きたM5.4の地震で、最大震度5でした。被害を伴った地震は51回で、全体で負傷者が15人、住家の全壊が10軒、半壊が4軒、崖崩れが60ヶ所でした。牧内地区での地すべり、湧水による被害、液状化現象による被害があり、発光現象や地鳴りもありました。また、松代町加賀井では枯れていた温泉井戸からの自噴がありました。

まとめ

この記事をまとめます。

  • 昭和中期には甚大は被害があった昭和南海地震、福井地震、十勝沖地震、新潟地震が発生しました
  • 昭和南海地震、十勝沖地震、新潟地震では津波による被害もありました
  • 福井地震をきっかけに「震度7」が新設されました

この記事は下記を参考にして作成しました。

宇津徳治,2004,世界の被害地震の表(古代から2002年まで),宇津徳治先生を偲ぶ会,東京,電子ファイル最終版.
東京大学地震研究所 応用地震学研究室ホームページ
地震本部ホームページ
内閣府防災情報のページ
気象庁ホームページ
和歌山地方気象台ホームページ
ほっかいどうの防災教育ポータルサイト
仙台管区気象台ホームページ
防災・減災 新潟プロジェクト2024ホームページ
新潟地方気象台ホームページ
松代地震観測所ホームページ

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